楽天のドローン配送「そら楽」、安全性を高めるポイントは?(2/2 ページ)
楽天がドローンによる荷物配送サービス「そら楽」を開始。物流の姿を一変させる可能性を秘める一方で、安全性の検証が普及のカギになるのは明白だ。ドローンの仕様やビジネス展開の計画からも、日本における安全性を重視する同社の姿勢が見て取れる。
商品数、ドローン、受取所も増加予定
そら楽は専用アプリ(Android版を先行提供、iOS版も提供予定)を通じて注文を受けると、ゴルフ場内の配送センターに待機するスタッフが、商品を配送用ボックスに梱包して、ドローンに取り付ける。利用者がラウンド中に受取所に到着するタイミングに合わせ、スタッフが専用タブレットの管理画面で発送すると、ドローンは自律飛行で受取所まで飛んでいく。
着陸してから配送用ボックスを自動投下した後、離陸ポイントへ自動で戻る仕組みだ。商品は全部で100種類を用意するが、リクエストに応じて増加する予定があるという。法規制などの問題で受取所は1カ所のみだが、ドローンの稼働数と合わせて、今後増やしていきたいとしている。
「空の産業革命が始まった」
発表会では、自律制御システムを担当したACSLの代表取締役である野波健蔵氏も「そら楽」への期待を語った。
「私としては、空の産業革命が始まったと思っている。2013年12月にAmazonがドローンの商業利用のアナウンスをしたが(参考記事)、実運用が始まっておらず、場所や日程すら決まっていない。スイスやドイツでも実証実験をやっているが、商用サービスとしては日本が世界に先駆けて始められた。これは素晴らしいことだ。
今まで、スマートフォンやコンピュータは海外勢に負けてしまったが、ドローンでは同じ轍を踏まないよう頑張りたい。今回開発した、風に強いフライトコントローラーは世界一のクオリティだと思っている、今後世界で役に立つだろう」(野波氏)
大手EC事業者として、Amazonと比較されることが多い楽天だが、ドローンビジネスでは一歩リードといえるが、三木谷氏は「あくまで自分たちは自分たちのやり方でやる」と話し、地理面や文化面なども含めて日本に特化したサービスを作っていくと強調した。監督官庁との調整など課題は多いものの、今後はドローンを使った配達が広まっていくと予想する。
「私自身、5年前はこんな世の中が来るとは思っていなかった。昨今は自動運転車の技術も飛躍的に高まっているし、少なくとも10年後にはドローンでの配達が当たり前になっているのではないか」(三木谷氏)
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