ブラジルの「マリオさん」に、勝手にメアドを使われていたでござるの巻:半径300メートルのIT(3/3 ページ)
最近、自分のGmailアドレスを使って、誰かがさまざまなWebサービスに登録するという“事件”が起こりました。どうしようかとサポート窓口に聞いてみたところ、なんと犯人は地球の裏側にいたのです。
「サービス提供者」はメールアドレス所有確認を徹底せよ
この件、サポートの方の心境も察することができるほど、イレギュラーな事態であることは理解できました。結局、サポートからは「マリオ氏が店舗にやってきて、サポートを依頼したときにはコメント可能なので、じっと待ちます」という返答が来たので、それ以上は要求できませんでした。
特にGmailのような、誰にでも取得できるサービスのメールアドレスは、ドメイン名が一緒であるため、こういった「間違い」が起きる可能性もあります。知人に今回の件をSNSでグチったら、意外にも「私もこういうことがあった!」という方が多かったのが印象的でした。
これを予防するには、あらかじめ著名なサービスのアカウント登録を、自分で先にやっておくことくらいしか思い付きません。しかし、使っていないアカウントを登録することは、リスクですし無駄でしょう。こうなると、最終的には一番スマートな方法として「脳内消去」――見なかった、なかったことにするくらいしかないですね。
ただし、これは「サイバー攻撃」にも使える手法であることは否めません。サービス事業者はメールアドレスを登録させたあと、アクティベーションのためのURLをメールで送信し、所有していることを確認してからサービス登録するという方法を徹底していただきたいと思います。
今日もそうやって、マリオ氏に向けて届いたであろう、さっぱり読めないポルトガル語のメールをそっと「間違い」フォルダに移動するのでした。あなたのメールアドレスは勝手に使われていないでしょうか? ぜひ一度お確かめになってはいかがでしょう。
(続く)
著者紹介:宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
関連記事
- 「半径300メートルのIT」記事一覧
- 勝手に使われたメアドを取り返そうとして“犯罪者になりかけた”件
自分のGmailアドレスを使って他人がさまざまなWebサービスに登録するという“事件”に巻き込まれ、ある方法でメアドを取り返そうと思ったものの、そこには大きな問題が……。 - “名もない中小企業”がランサムウェアの餌食になる理由
「うちは名もない中小企業だからランサムウェアの標的にはならない」――。果たしてそれは真実なのでしょうか。加害者の気持ちになって考えてみると……。 - あえて「無償のWindows 10」を見送った皆さまへ
7月29日、ついに終了した「Windows 10の無償アップグレード」。アップグレードを見送った人は、これからどんなことに注意すればいいのでしょうか? - Windows 10のアップグレードには従うべき。ただし……
ちょっと強引なWindows 10のアップグレードに困惑した皆さん、実は私はセキュリティの観点からアップグレードを強く推奨しています。でも、それを阻む問題が……。 - 1日5分でできる、ランサムウェア対策
大事なデータを勝手に暗号化し、身代金を要求するランサムウェア。その被害は個人にも及んでいます。今回は、被害にあって絶望しないための対策法を紹介します。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.