コレ一枚で分かる「人工知能と機械学習の違い」:即席!3分で分かるITトレンド(2/2 ページ)
人工知能の目的や研究分野と、人工知能研究の1分野である機械学習の技術について整理し、その関係性を把握しましょう。
機械学習
機械学習(ML:Machine Learning)も、そんな人工知能研究の1つの分野として、人間が日常行っている「学習」と同様のことをコンピュータで実現しようとする技術や手法のこととされています。
本来「学習」とは、人間が体験や伝え聞いた情報などにより知識を蓄えることです。工学的には、コンピュータが最適な答え得るために人間がその方法を教えるのではなく、コンピュータ(のソフトウェア)が自ら試行錯誤を繰り返し、その結果を検証しながらよりよい方法を見つけ出していく仕組みのことをいいます。
かつて人工知能(と称していたもの)は、最適な答えを得るためのルールを人間が全て教える必要がありました。教えるべきルールは膨大です。また、何をどのようにルールにするのかを決めるのも記述するルールも個人の知識の範囲にとどまってしまいます。「ルールベース」と呼ばれるこの方法は、やがて限界に突き当たりました。
そこに登場したのが「機械学習」です。「機械学習」は、コンピュータが大量のデータを分析し、そこからそのデータに潜んでいる規則性や相互関係、答えを導くためのルールを見つけ出してくれる仕組みです。
そんな機械学習の中でも昨今特に注目されているのが、「ディープラーニング(Deep Learning:深層学習)」です。この技術は、脳科学の研究成果を踏まえ、人間が脳の中で行っている学習の仕組みを参考に作られた機械学習のアルゴリズム(計算や問題を解決するための手順や方式)です。
【参考】機械学習やディープラーニングが注目されるようになった背景については、こちらに詳しく書きましたので併せてご覧ください。
著者プロフィル:斎藤昌義
日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤリティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら。
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