コレ一枚で分かる「人工知能と機械学習の違い」:即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)
人工知能の目的や研究分野と、人工知能研究の1分野である機械学習の技術について整理し、その関係性を把握しましょう。
この連載は
カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。
「人工知能」と「機械学習」の技術と関係性
「人工知能」と「機械学習」は、はっきりと区別されないままに曖昧に使われていることがあります。ここでは、この両者について、その違いや関係について整理します。
人工知能
1956年にダートマス会議で「やがて人間の知能は機械でシミュレーションできるようになる」との考えが提唱され、これがArtificial Intelligence(AI:人工知能)と名付けられました。しかし、AIという言葉の定義が厳密に行われたわけではなく、研究者ごとにさまざまに解釈され、それぞれに異なるアプローチで研究が進められることになります。
その1つは、「AIの目的は、人間の知能の仕組みを理解するためにコンピュータを活用しよう」というものでした。つまり、人間の脳で行われている知的活動の仕組みを解明し、その仕組みの通りにコンピュータ上のソフトウェアで再現しようというわけです。
もう1つは、「AIの目的は“知的”なことができるソフトウェアを作ろう」というものでした。そのためには、手段として人間の脳の仕組みとは違ってもよいので、とにかく利用者から知的だと思ってもらえるソフトウェアを実現し、利用者の知的作業を支援したり代替したりできるようにしようというのです。
前者は「強いAI」、後者は「弱いAI」と呼ばれることがあります。実際には、この2つのアプローチが互いに影響を与えながら発展を続けています。
AIが取り組もうとしている分野は多岐にわたっています。人工知能学会の説明には、次の18の分野が紹介されています。
遺伝アルゴリズム、エキスパートシステム、音声認識、画像認識、感性処理、機械学習、ゲーム、自然言語処理、情報検索、推論、探索、知識表現、データマイニング、ニューラルネット、ヒューマンインターフェース、プランニング、マルチエージェント、ロボット
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