リアルタイムに通話内容をテキスト化するコンタクトセンター向け支援サービス
日立製作所は、通話内容をリアルタイムにテキスト化し、FAQデータベースやテキスト要約アプリケーションなどと連携して活用する「コンタクトセンター業務効率化支援サービス」を発表。オペレーター業務の効率化やサービス品質の向上を支援する。
日立製作所が3月23日、リアルタイムに顧客とオペレーターの通話内容をテキスト化し、活用する「コンタクトセンター業務効率化支援サービス」を発表した。3月24日から販売する。価格は3700万円(税別)からで、提供開始は3月30日の予定。
同社は、営業店舗やコンタクトセンター向けに、「顧客の声」などの音声データを業務データと組み合わせて活用することで企業の課題解決を支援する「音声データ利活用ソリューション」を提供している。新サービスは、そのサービスメニューを拡充する位置付けのもので、「音声データ利活用ソリューション」の音声認識基盤「Speech Recognition Platform」を強化したという。
高い音声認識率を維持しながら顧客とオペレーターの通話内容をリアルタイムでテキスト化するとともに、テキスト化した音声データをFAQデータベースやCRMシステムなどとリアルタイムに連携して活用することで、業務効率やサービス品質の向上を支援する。
特に野村総合研究所(NRI)のテキストデータ解析ソリューション「TRUE TELLERシリーズ」で提供されているFAQデータベースやテキスト要約アプリケーションについては、NRIとともに専用のインタフェースを開発しており、柔軟なアプリケーション連携と容易な導入が可能。
例えばFAQデータベースと連携した活用では、通話から単語や文節を検出し、FAQデータベースに蓄積されているコンテンツやドキュメントの中からその内容に適した回答案を自動検索してオペレーターの画面に表示。これにより、オペレーターが回答に要する時間を短縮できる上、オペレーターの知識や経験に依存しないサービス提供が可能となり、顧客満足度の向上に貢献するとしている。
また、テキスト要約アプリケーションを通じてCRMシステムと連携することで、通話から必要な情報をリアルタイムに抽出し、CRMシステムへの自動登録が可能。問い合わせ対応後にオペレーターが実施する応対内容の記録にかかる業務を省力化することができ、オペレーターの業務負荷を軽減する。
さらに管理者向けの機能として、管理者の画面に最大10人のオペレーターの通話内容をリアルタイムでテキスト表示でき、リアルタイムで複数オペレーターの対応状況を把握することができる。事前に特定の単語(NGワードなど)を登録しておくことで、オペレーターや顧客がその単語を発言した場合に管理者の画面で当該テキストをハイライト表示する機能も装備。不適切な発言やクレームへの対応などで支援が必要なオペレーターの通話をリアルタイムに把握し、即座に対応可能になることから、管理負荷を軽減しつつ、サービス品質の維持・向上を図ることができる。
「音声データ利活用ソリューション」では、新サービス「コンタクトセンター業務効率化支援サービス」のほか、顧客との通話録音、テキスト化から分析までを実現する音声データ分析環境を構築する「音声分析システム構築サービス」、音声データから目的に適した情報を抽出し、業務データと連携してマーケティング施策の立案につながる分析支援や効果検証を実施する「音声データ利活用支援サービス」など、各種のサービスを提供している。
同社は今後、「音声データ利活用ソリューション」をIoTプラットフォーム「Lumada」をベースとしたサービスの1つとして展開し、企業の新たなビジネス価値創出を支援していくとしている。またヒューマノイドロボット「EMIEW3」の開発などを通じて強化している音声・言語処理などの技術と組み合わせることで、自動応答機能の実現を目指すなど、オペレーター業務のさらなる負荷軽減などを図っていくとしている。
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