「外資系パッケージソフト」の導入で失敗しないために:【最終回】失敗しない「外資系」パッケージソフトとの付き合い方(3/3 ページ)
外資系パッケージソフトの導入で失敗しないための方法を解説する本連載。今回は最終回ということで、初回からの記事を振り返ります。
運用編(第14回〜第17回):パッケージソフトウェア導入後、運用で発生する問題とは
システムはリリースが終わって一安心……というわけではありません。最後は、パッケージソフトウェアが商用環境でカットオーバーされた後の、運用にまつわる問題点を取り上げました。
第14回『「障害の復旧」と「問題解決」を勘違いする人たち』では、ITILのインシデント管理と問題管理を参考にして、障害が発生したときの解決へのアプローチ方法について解説し、ユーザーとメーカーの間でその認識に違いがあると、解決の妨げになってしまうことをお伝えしました。
ユーザーとメーカーの認識違いでよく引き合いに出される、「バグと仕様」の問題については、2回に分けて取り扱いました。前編では、認識違いが発生する原因について考え、後編では、バグか仕様によって、ユーザーから普段見えないメーカー内部のアプローチの違いをご紹介しました。これもまた、ユーザーとメーカーの認識が異なると両者に不利益をもたらすことを示す好例です。
第17回『ユーザーの言いなりになるのがメーカーの仕事ではない』では、ソフトウェアのバージョンアップを例に取り上げ、メーカーが製品をバージョンアップする動機と、ユーザーがソフトウェアのバージョンアップに積極的になれない理由を比較しました。ソフトウェアのバージョンアップには、両者の十分な対話と議論が必要です。対等に要望を言いあえる関係性を築くことが重要になると言えます。
いかがでしょうか。私のような、ユーザーにも外資系メーカーにも接する立場にいると、ユーザーは外資系ベンダーの融通の利かなさを嘆き、外資系ベンダーは、日本のユーザーの認識の甘さを嘆く場面を日々よく目にします。
どちらも相手の重要な問題に気付いているのに、愚痴やクレームにとどまり、それが互いの将来のために生かされないのはもったいないと、私は常日頃から思っていました。この連載を通じてぜひ、両者にそれぞれ事情や背景があることを知っていただき、ユーザーの方には、自社のビジネスのために、パッケージソフトウェアとさらに上手に付き合える機会になればうれしく思います。
今や、これまで年単位で取り組んできた自社でのシステム開発が、日進月歩のパッケージソフトウェア、そしてSaaSに移り変わっている時代です。その全てが置き換わるとは思いませんが、その割合が増えているのは事実であり、これからもその傾向は続くでしょう。時代の変化に合わせ、これまでの業務とは違う点を吸収し、そして、パッケージソフトウェアを上手に利用することで、少しでもビジネスの成長に貢献できれば幸いです。
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