Alphabet(Googleの親会社)、予想を上回る増収増益
Googleを傘下に持つAlphabetの1〜3月期決算はアナリスト予測を大きく上回る増収増益だった。GoogleはYouTubeやモバイルでの広告に加え、ハードウェアやクラウドなど広告以外からの売り上げも順調に伸びている。
Googleを傘下に持つ米Alphabetは4月27日(現地時間)、2017年第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。AlphabetはGoogleが組織再編で設立した持ち株会社で、2015年10〜12月期からGoogleとその他の傘下企業の業績を分けて開示している。
Alphabet全体の売上高は前年同期比22%増の247億5000万ドル、純利益は29%増の54億2600万ドル(1株当たり7.73ドル)だった。売上高、1株当たりの純利益ともに、アナリスト予測(売上高は242億ドル、1株当たり純利益は7.40ドル)を大きく上回った。
Googleの売上高は前年同期比22%増の245億600万ドルで、前期同様にAlphabet全体の約99%を占めた。営業利益は22%増の75億9800万ドル。検索と連動した広告の伸びを示すペイドクリック数は44%増加。前期比では2%増だった。モバイル端末の普及とYouTubeのTrueView広告の影響で下落が続いているクリック単価(CPC、クリックごとに広告主がGoogleに支払う単価)は19%減、前期比では4%減だった。同社は同四半期からペイドクリック数とクリック単価の分類方法を変更したため、今回の数字にはその影響があるとしている。
主要な収入源である広告以外(YouTube Red、Google Play、オリジナルハードウェアなど)からの売上高は49%増の30億9500万ドルだった。
ムーンショット部門のX、Google Fiber、Calico、Nest、Verily、GV、Google Capitalをまとめた「その他」の売上高は49%増の2億4400万ドル、営業損失は前期より2億3300万ドル減り、8億5500万ドルだった。
AlphabetおよびGoogleのCFO(最高財務責任者)であるルース・ポラット氏は発表文で「われわれは製品イノベーションへの投資から明らかに恩恵を受けている。Alphabetの新しい事業には大きな勢いがある」と語った。
サンダー・ピチャイCEOは業績発表後の電話会見で、同社は機械学習と人工知能(AI)にフォーカスしていると語った。また、YouTubeが好調だと強調した。
電話会見で最近のYouTubeからの広告引き上げについての質問に対してピチャイ氏は、機械学習での問題解決に取り組んでおり、広告主らとの話し合いは非常にポジティブだと語った。
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