Waymo、自動運転車の無料貸出をアリゾナ州でスタート
Googleからスピンオフした自動運転企業Waymoが、クライスラーのミニバンモデルを無料で貸し出すプログラムをアリゾナ州フェニックスでスタートした。
米GoogleからスピンオフしたAlphabet傘下のWaymoは4月25日(現地時間)、米アリゾナ州フェニックスで自動運転車の無料貸出プログラム「early rider program」を開始した。同地域の住人は特設サイトから参加を申し込める。
貸し出すのは、Lexus RX450hベースのモデルと、同社が2016年5月に発表したFiat Chryslerとの提携で開発した「2017 Chrysler Pacifica Hybrid」ベースのミニバンだ。ハンドルもブレーキもあり、いつでも自動運転からマニュアルに切り替えられる。
同社は既にハンドルもブレーキもない「Firefly(ホタル)」という愛称の小型車のプロトタイプを50台製造済みだが、公道でのより広範なテストを目的に、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)の規定に準拠するミニバンモデルを開発した。ミニバンモデルは既に100台が公道を走っており、さらに500台投入する計画。
走行できる地域は限定されているが、プログラム参加者は日常的にこの車を利用できる。Waymoのジョン・クラフシックCEOは自身のMediumで、「このプログラムの目的は、サンフランシスコの2倍のエリア(であるフェニックス)で人々に日常的に使ってもらうことだ」と語った。
アリゾナ州は早くから自動運転車の公道テストを認めており、昨年末にはカリフォルニア州から締め出された米Uberを受け入れた(その後Uberが事故を起こし、引き上げた)。
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