認証の未来は“耳の穴”にあり? 「AirPods」の意外な可能性:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
久々に“デバイスが生活を変える”という体験を味わった「AirPods」。セキュリティの未来も、ここにありそうな予感がします。
私がここ最近購入した、2つのアップル製品があります。1つは「Apple Watch」。発表時には全く興味がありませんでしたが、ものは試しと一番安いモデルを買ってみました。結果……どれだけ歩いたか、などの活動量計センサーとしては便利でしたが、今ではほとんど身につけなくなってしまいました。確かにこれを付けていると、Macの自動ログインができる機能は便利なものの、私にとっては「なくてもいい」デバイスに落ち着いたのです。
しかし、もう1つのアップル製品、耳に付けるワイヤレスヘッドフォンの「AirPods」は、ここ5年間で購入したデジタルデバイスでは最高に近いものでした。肌身離さず使っています。これを手に入れてから、初めて音声認識/操作機能の「Siri」も少しずつ使えるようになり、“デバイスが生活をほんの少し変える”ということも体験できました。
結局、“両手を使う”Apple Watchと“片手ですむ”AirPods
そもそもApple Watchを購入しようと思ったのは、「iPhoneを取り出さなくても通知が分かるかもしれない」と思ったからでした。しかし、実際に手に入れてみると、Apple Watchを見るためには「服の袖を引っ張る」という動作が必要でした(購入したのは冬だったので、厚着だったということもありますが)。
袖を引っ張って腕時計を見るためには、もう片方の手を行う必要があります。つまり、両手を使わないと情報を見られません。ごくごく当たり前のことですが、普段、全く腕時計をしない私には、意外と煩わしい動作だったのです。私にとって、その煩わしさは、iPhoneをポケットから出すのと大差なかったのです。
それを考えると、「通知をさっと知りたい」というニーズを満たすには、むしろ常に耳に入れ続けているAirPodsの方が便利なのではないかと思ったのです。AirPodsを使った通知の読み上げは、iPhoneが振動したときにAirPodsを2回タップして、「通知を読み上げて」とSiriに向かってしゃべるようにしています。片手でタップするだけで通知内容を知ることができるので、こちらの方がより未来的な印象です。
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