先日、私が個人的に運営しているサイトの記事が、Twitter上に“スクリーンショットとともに”流れてきました。
自分を含めた“うるさい人たち”が言い続けた結果か、最近のスクリーンショット投稿には元記事のURLが貼り付けられていて、オリジナルの情報にたどり着けるものが(私の観測範囲では)増えてきた印象です。改ざんされていないことが分かる、よいことですね。
しかし、少し気になることもありました。自分のサイトに貼られている広告がきれいにカットされているのです。過去のスクリーンショット付きの投稿を見返してみると、その多くで広告が消えていました。「アドブロック」「広告ブロック」と呼ばれる仕組みが思った以上に浸透していることが分かったのです。
身近になった「広告ブロック」
広告を中心としたビジネスを展開しているメディアの上でこういう話をするのは、編集部に対しても心苦しいところなのですが、今、iPhoneのWebブラウザ、「Safari」には、「コンテンツブロッカー」という仕組みがあり、比較的簡単に「バナー広告」を消すことが可能になっています。
今、スマートフォンの広告ブロッカーはとても簡単に導入できます。スクリーンショットを使って情報をシェアするのは、そこまでITに詳しい人ではないという先入観があったので、まさかその人たちが広告ブロックを使っているとは! と驚いた次第です。その手軽さと効果を考えると、もはや止められない動きになりつつあると感じています。
原因は「ギガ不足」? それとも……
広告ブロッカーが浸透した理由は幾つもあると思いますが、その1つが“ギガ不足”です。今、スマートフォンユーザーにとって重要なのは、「通信容量の上限とどう戦っていくか」。月末に近づくにつれ「通信制限のお知らせが来た」というSNS投稿を目にすることが増え、実際に多くのWebサービスの運用状況においても、日本では月末に通信量が激減し、月初にドカンと増えるという状況であることが報告されています。
そんな状況下では、当然、通信量を削減したいというニーズが出てきます。TwitterやFacebookは、低スペックのスマートフォンでも使いやすいアプリを出していますが、日本においては「高スペックのスマホを使いながら、通信容量を抑えたい」というニーズがあります。いわゆる「ギガ不足」対策ですね。
個人的には、スマホで見るWebサイトの「広告」は、ギガ不足を引き起こす大きな要因になりつつあると思っています。無料ブログサイト(いわゆる「まとめサイト」)の目を覆いたくなるような広告バナーの嵐だけでなく、著名なニュースサイトで、いきなり画面の上4分の1くらいを占める動画広告がどんどん通信容量を消費していくさまを目の当たりにすると、普通の感覚なら「広告を見たくない」と思ってしまうでしょう。
もう1つの理由は、この広告が「セキュリティ面の脅威になる場合がある」ということです。
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