なぜ今、企業は「API」を活用すべきなのか:Weekly Memo(1/2 ページ)
企業がデジタルビジネスを展開するうえで、「API」の重要性が高まってきている。なぜ今、企業はAPIを活用すべきなのか。
企業がAPIを活用する4つの目的とは
日本オラクルが先頃、API(Application Programming Interface)」をクラウド上で管理するサービス「Oracle API Platform Cloud Service」の提供を開始すると発表した。
新サービスは、「OracleCloud」や他社クラウド、オンプレミス環境上にAPIゲートウェイを配置可能にし、APIの設計・開発・テスト・利用・運用といったライフサイクル全体を画面操作で実行する環境を一元的に提供するものだという。
その詳しい内容については発表資料をご覧いただくとして、ここではAPIそのものに注目したい。というのは、企業がデジタルビジネスを展開するうえで、その重要性が非常に高まってきているからだ。
なぜ、企業はAPIを活用すべきなのか。日本オラクルが新サービスの発表会見で、その点について解説していたので、それをもとに考察してみたい。
APIは一言でいうと「ソフトウェアの機能を共有する仕掛け」だが、日本オラクルの佐藤裕之クラウド・テクノロジー事業統括Cloud Platformビジネス推進本部長は、「デジタルビジネスにおけるデータの価値を顧客に対してソーシャルやモバイル、IoT(Internet of Things)などを活用して迅速かつ適切に届ける仕組み」と表現した。
以下に、佐藤氏のAPIに関する解説を記しておこう。まず、企業がデジタルの世界で成功するための要件について、同氏はビジネス視点で「顧客の要求への迅速な対応」および「イノベーション創出の推進」を挙げ、それを支えるためのITアーキテクチャとして「SaaS」「API」「マイクロサービス」が非常に重要になると語った(図1)。
では、企業がAPIを活用する目的は何か。佐藤氏は、「顧客満足度の向上」「ビジネスの拡大」「パートナーエコシステムの確立」「業務の効率化」の4つを挙げた。これらがすなわち、なぜ企業はAPIを活用すべきなのか、との問いに対する回答でもある。
また、APIを効果的に活用するためにきちんと管理することも重要だ。同氏はその必要性について、「消費者のニーズに迅速に応えるためにAPIを効率的に開発/公開するため」など、図2にあるように3つのポイントを挙げた。
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