フジテレビ、基幹ネットワークを「Cisco TrustSec」で刷新 5000台の通信を動的制御
フジテレビが「Cisco TrustSec」テクノロジーを活用し、基幹ネットワークを刷新。ユーザーベースの通信制御で業務効率化とセキュリティ強化を図る。
フジテレビジョンは、日本IBMとシスコシステムズの支援の下、基幹ネットワークを刷新し、2017年6月30日に稼働を開始した。
新基幹ネットワークは「Cisco TrustSec」テクノロジーを活用し、社員などが利用する約5000台の端末をサポートする、ユーザーベースの動的な通信制御、運用環境を実現した。社内のどこからでも一貫したポリシーに基づいて社内ITシステムを利用できるようになり、社員の利便性や業務効率化が向上したという。
Cisco TrustSecは、従来のIPアドレスに基づいた静的な通信制御ではなく、ユーザー属性(エンドポイントのID)に基づいた動的な通信制御ができる技術で、所属組織やデバイスタイプごとの制御などが可能になる。
ネットワークの管理ポリシーが一元化されるため、セキュリティの強化や、運用管理の負荷軽減も図れる。また、将来のクラウド活用に向けたネットワークの最適化も可能になるとしている。フジテレビは、同テクノロジーの高信頼性、拡張性、俊敏性に加え、従来活用してきたIPベースのネットワーク技術との親和性も評価し、採用したという。
同社は今後、通信データの振る舞い分析から感染端末の検出や特定を行う「Network as a Sensor(NaaS:センサーとして機能するネットワーク)」や、怪しい振る舞いを即時に自動制御、隔離可能な「Network as an Enforcer(NaaE:エンフォーサーとして機能するネットワーク)」といったシスコ製品の導入も予定しており、ネットワークの可視化と未知の脅威に対する体制強化を図るとしている。
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