“ひとり情シス大学”で何を学べるのか Dell EMCに聞く開校の狙い:Weekly Memo(2/3 ページ)
大手企業と違って、中堅企業では、情報システム担当が1人しかいないケースが少なくない。そんな“ひとり情シス”に対し、Dell EMCが新たな支援策を打ち出した。果たして奏効するか。
Dell EMCが打ち出した「ひとり情シス」への4つの支援策
2つ目は、「ひとり情シス大学」の開校である。Dell EMCの顧客向けに、ひとり情シスを支援する特設ポータルサイトとして開設するもので、「社内に相談できる先輩社員がいない」「勉強会やセミナーへの参加する時間を取るのが難しい」「変化の多いIT業界の中で学び続ける環境がない」といったひとり情シス担当者の悩みに応えたいという。
ひとり情シス大学では、技術スキルやコミュニケーション、ITガバナンスに関する講座など、全150講座のカリキュラムを提供する予定で、そのうち初級編が18科目(90講座)、応用編が12科目(60講座)となる。初級編を2018年4月から半年間かけて提供し、応用編については企業内コンサルティングなどから提供していく計画だ。各科目完了後には習熟試験を実施し、点数によって単位を授与。初級編・応用編完了時にも修了試験を実施するとしている。(図2)
3つ目は、ひとり情シスの業務を可視化する「可視・定額型サポートメニュー」の提供である。業務内容が多岐に渡ってブラックボックス化しているひとり情シスの業務を可視化するため、各種サポートメニューを用意。メニューはひとり情シスの業務内容に基づいて細分化されており、それらを定額料金で提供することで、業務の可視化に加えて各業務に対する適正価格を判断できるように支援する構えだ。(図3)
4つ目は、ひとり情シス向け「終活ソリューション」の提供である。終活といっても、これは、次の担当者へのバトンタッチや社内ITを透過的に情報管理できるようにすることが目的だ。まずはシステム関連のドキュメント常時最新化し、システム構成図の陳腐化から脱却するソリューションと、システムおよびデータ復旧を仕組み化するソリューションを提供する。
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