オペレーターの代わりにbotが電話で自動応答――ドコモと電話放送局が開発
IVR(自動音声応答)システムと自然言語で対話できるbotを組み合わせ、コールセンターの利用者に音声を使った応答ができる対話システムを構築。一次対応や時間外対応などに活用できるという。
NTTドコモと電話放送局は11月7日、IVR(自動音声応答)向けの対話システムを開発したと発表した。
従来のIVRシステムでは、電話の発信者によるボタン押下や自動音声のガイダンスにのみ対応し、対話を必要とするような複雑な問いかけにはオペレーターが電話対応を行ってきた。新システムでは、対話botがオペレーターの代わりに電話で応答する。これにより、オペレーター不在の時間外の対応や人手不足の際の一次対応を行えるようになるという。
新システムは、電話放送局のIVRシステムとドコモの「対話ボット自動構築技術」を組み合わせたもの。IVRシステムが利用者と対話botを接続し、対話botとの電話を介した音声対話を実現する。
新システムでは、電話をかけてきた利用者の質問をIVRシステムが音声認識機能を使ってテキストに変換し、対話botに出力。入力されたテキストに対して、対話botは、あらかじめ用意された対話データに従って適切な回答を生成し、出力する。
出力された回答を、IVRシステムが音声に変換することで、電話を介して利用者に伝える仕組み。利用者がIVRシステムから受け取った回答を基に次の質問を発話すれば、対話が継続していく。
対話botは、自然言語処理技術により、あらかじめ想定される質問と応答から成る対話データを登録することで自動で構築される。そのため、対話botの構築や運用にかかるコストを抑えられるという。
両社は今後、電話窓口での対話botによる自動応対の有効性について検証していくとしている。
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