新潟市、災害対応業務の情報基盤を刷新 IT活用で対応強化へ
新潟市が、災害対応体制の強化を目指し、「新潟市災害時情報システム」を構築。自治体の災害対応業務を支援するIBMのソリューションを採用した。
日本IBMは11月9日、新潟県新潟市の「新潟市災害時情報システム」の構築業務を受注したと発表した。2018年4月の稼働を目指す。
新潟市は、防災行政に関する自治体業務へのICT活用として、従来クライアントサーバ方式の災害時情報システムを運用してきたが、今回、災害対応体制を強化するため、平時から災害時における災害対応業務支援を行えるシステムの構築を進めることにした。
新システムは、罹災証明書の発行を支援する「被災者台帳管理機能」を備える。新潟市は、熊本地震の教訓から、被災時の家屋調査と罹災証明発行の仕組みを再整備し、この機能の構築を決定。タブレット端末を活用して現地で建物被害調査を行い、速やかに罹災証明書の発行手続きを進め、被災者の生活再建を支援する基盤を整備する。
その他、避難行動要支援者名簿の作成と管理を行う「避難行動要支援者管理機能」、各種ハザード情報と要配慮者施設を電子地図上に重ね合わせて表示し、平常時から避難計画の策定に役立てる「要配慮者施設管理機能」など、近年ニーズが高まっている防災行政機能も装備。これらの機能により、防災対応業務の効率化を見込む。
この新システムは、自治体の災害対応業務を支援するソリューション「IBM災害対応情報システム」を活用して構築。IBM災害対応情報システムは、避難所状況、避難者情報、救援物資と備蓄物資情報、被害情報、職員参集状況といった災害時に求められるさまざまな情報を電子地図上に描画でき、現地の様子や被害状況を的確に把握して適切な被災者支援に向けた迅速な意思決定を行えるよう支援する。5月には、罹災証明書を発行するための被災者台帳管理と、災害に備えるための避難行動要支援者名簿の作成を支援する避難行動要支援者管理の機能が追加されている。
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