「iPhone X」と「スマートスピーカー」、買うのやめました:半径300メートルのIT(1/2 ページ)
この秋、話題の2つのデバイス「iPhone X」と「スマートスピーカー」。飛びつきたくなる気持ちを抑えて購入を見送った理由とは。
最初に、今回のコラムは個人的な考え方であることを明記しておきます。
実は私、最近、注目されてる2つのデバイスを「今は買わない」ことに決めました。いずれも、最新技術を使ったとても魅力的な製品であるにもかかわらず、買わなかった理由を今回のコラムでお話ししようと思います。
iPhone Xを見送った理由
まず1つ目のデバイスは、2017年11月に発売されたばかりの「iPhone X」。従来の指紋認識とは異なる顔認識技術「Face ID」を新たに搭載しています。
これまでは、センサーに指を置くことでロック解除をはじめ、さまざまな認証処理ができましたが、iPhone Xでは“画面に顔を向けるだけで”解除できるようになったのです。
ただ、こうした新技術が出てくると、攻略したくなるのが世の常で、サングラスやマスクを着けた状態で突破できるかどうかチャレンジする人が続出。既にさまざまな突破事例が出てきているようです。
中にはかなりのこじつけもありますが、双子のように似ている人が認証を突破しようと試みて失敗しても、その直後にパスコードによる認証を行うと、Face IDが認識済みの顔情報を調整するという仕様があるといい、Appleも「この点には注意が必要」としています。
If there is a more significant change in your appearance, like shaving a full beard, Face ID confirms your identity by using your passcode before it updates your face data.
Appleによると、Face IDの顔認証で他人が一致するのは100万分の1の確率だとされていますが、身近にいる人間とマッチするリスクを考えると、数値だけでは安全性を判断しづらいというのが私の考え方です(私に双子はいませんけれど)。
iPhone Xの顔認識を使いたくなければ、従来通りパスコードによる認証も可能です。でも、私はパスコードではない簡単な認証方法を求めていたので、今回はiPhone XをスルーしてiPhone 8 Plusを買うことに決めました。この点においては、「指紋認証の実績を買った」ということになります。
iPhone Xが指紋認証と顔認証を両方搭載していて、普段は手軽にFace IDを使い、決済などの重要な認証の際にはTouch IDを追加で使う、といったように、リスクに応じて多要素認証が使えれば確実に購入したのですが……。
ただ、iPhone Xを見送った今でもうらやましくてたまらないのが、視線を向けて顔認証すると、隠されていた通知の詳細が表示される機能。これはショルダーハックを防ぐ方法としてこの上なくスマートな方法だと思うのです。
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