RPAを導入する前に、最低限考えておきたい「3つのこと」:人事×RPAで始める「働き方改革」(2)(1/2 ページ)
RPAはロボットに人間が行っている業務を代行させるという、非常に分かりやすいソリューションです。しかし、その分かりやすさゆえに、安易に手を出して失敗するケースも後を絶ちません。今回は検討段階において、最低限検討すべき3つの項目をご紹介します。
企業の働き方改革は、人事部門から始めるべき――前回の記事ではそんなお話をしました。私たちはその1つの手段として「RPA(Robotic Process Automation)」の活用を勧めています。既存の業務を自動化し、浮いた時間で全社の働き方改革を進めよう、というわけです。
- 前回の記事はこちらから→企業の「働き方改革」は人事部から始めるべき――そう考えるたった1つの理由
RPAとは、処理速度が人間よりも格段に早いソフトウェアロボットに、人間が行っている業務を代行させるという、非常に分かりやすいソリューションだと言えます。
しかし、分かりやすいがゆえに、エンドユーザーが現在手間がかかっていると感じている業務を、単純にロボット化してしまいがちです。そのまま導入を進めると、タスク単位でのロボットが無数にできてしまいます。もちろん、それでも一定の導入効果は得られますが、これではタスク単位での自動化にしかなりません。
RPAの導入効果を左右する3つの要素
RPAは「Robotic Process Automation」という文字が示す通り、ロボットを活用して業務プロセスを丸ごと自動化(効率化)することが、本来の目的です。その効果を最大限に得ようとするならば、RPAの検討段階でしっかりと準備することが必要になります。気を付けるべき点は主に3つ。ツール、導入方法、そして導入のパートナーです。
ツール:RPAツールは大きく2種類に分けられる
まずはツールの話から考えていきましょう。業務プロセスを効率化するレベルでRPAを活用するためには、ツールの選定が重要になります。現在、RPAツールとして販売されているツールには大きく分けて2種類あります。
1つは、ロボットをサーバで管理し、必要に応じて操作が必要なクライアントPCをロボットが操作するツールです。ロボットが操作するPCが固定されないため、業務フローに合わせて必要なPCを操作できます。業務プロセスレベルでのロボット化がしやすい一方で、導入にやや時間がかかり、初期コストも後者に比べて大きくなります。
もう1つはクライアントPC単位にソフトウェアをインストールして使うツールです。この場合、ロボットの操作対象はインストールされたPCに限定されるため、あくまでデスクトップレベルの自動化「RDA(Robotic Desktop Automation)」となります。導入の初期コストは抑えられますが、業務プロセスレベルでロボット化をするには、各PCを連携させるなど、別の処理が必要になるでしょう。
現在、国内でも多くのRPAツールが販売されていますが、それがこの2つのどちらなのか。そして、それが自社が考えるRPAの目的と照らし合わせて、適切なものなのかを考えることが大切です。
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