デジタルによる既存産業の崩壊は、“他人ごと”ではない PwCが説く“その日”への備え:Weekly Memo(1/2 ページ)
デジタル技術を使った新たなビジネスモデルで従来型ビジネスを破壊する――。そんなデジタル時代の“破壊的創造者”の存在が注目を集めているが、あなたの会社は、備えができているだろうか。
東京・大手町に「エクスペリエンスセンター」を開設
「デジタル化の進展に伴って既存産業の垣根が今、崩壊し始めている。そうした中で、企業はこれからどう動けばよいのかが問われている」――。こう語るのは、PwCコンサルティング デジタルサービス日本統括パートナーの松永エリック匡史氏だ。
PwC Japanグループが先頃、デジタル領域で新たなイノベーションを生み出す拠点として「エクスペリエンスセンター」を東京・大手町に開設。松永氏の発言は、その発表会見で同センターを設けた背景について語ったものである。
エクスペリエンスセンターは、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の分析に基づいて企業のビジネスを再構築し、デジタル技術によるイノベーションを創出することを目的としている。
その柱は、PwCのデジタルサービスに所属するデザインやデジタル技術を専門とする「人材」、大企業からスタートアップまで規模や業界の垣根を越えて協働するオープンでフレキシブルな「施設」、斬新なアイデアや専門知識により課題を解決する「方法論/ソリューション」の3つからなる。(図1)
PwCは米国フロリダ州やドイツ・フランクフルト、中国の上海など世界30を越える都市でエクスペリエンスセンターを展開。3000人を超える専門コンサルタントがグローバルに連携しながらサービスを提供している。すでに医療、保険、エネルギー、製造など幅広い業界でデジタルイノベーションの創出を支援した実績があるという。
日本のエクスペリエンスセンターでは、ブランドマーケティング戦略策定、カスタマーエクスペリエンスのデザイン、デジタルサービスやプロダクトのラピッドプロトタイピング、カタリストによるワークショップなどのサービスを提供していく。(図2)
クリエイティブエージェンシーが得意とする創造性と、コンサルティングファームが担う複雑な課題解決スキルの両輪を兼ね備え、顧客企業のデジタルイノベーションをよりスピーディーに実現することを目指しているという。
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