AIで「ビジネスマッチングサービス」を高度化――山口FGと山口銀行、日立が実証実験へ
山口フィナンシャルグループ(山口FG)と山口銀行は、日立製作所の「Hitachi AI Technology/H」を用いて、顧客企業のビジネスパートナーをマッチングするサービスの実証実験を行う。事業データと企業信用調査データを分析することで、マッチングの精度向上を目指す。
山口フィナンシャルグループ(山口FG)と山口銀行、日立製作所は2018年1月15日、AI(人工知能)を活用して山口銀行の「ビジネスマッチングサービス」を高度化する実証実験を行うと発表した。
このビジネスマッチングサービスは、金融機関が取引先企業をビジネスパートナーとして紹介し、販路や仕入先の拡大などを通じて新規取引を促進するなど、顧客企業の事業拡大や経営改善を支援するもの。山口FGでは、ビジネスマッチングサービスを地域社会や経済の活性化、地方創生につながる重要な施策の1つとして位置付けている。
実証実験では、銀行が所有している事業データなどを、帝国データバンクが持つ企業プロフィールや販売先・仕入れ先などの取引データといった全国の企業信用調査データとともに日立のAI「Hitachi AI Technology/H」で分析することで、マッチング成立の可能性が高い条件を導き出し、その条件を基に、最適なマッチング候補先を抽出する。
今回、日立の鉄道車両製造工場(山口県下松市)に対してビジネスマッチング提案を行うことでその有効性を検証する。
山口FGと山口銀行は、実証実験を通じて、ビジネスマッチングサービスにおける業務の効率化や、マッチング成立の精度を向上させるための先進的な手法の導入を目指す。
また、日立と帝国データバンクは、AIを活用したデータ分析により、新たな付加価値データやサービスを創出することで、ビジネス機会の拡大を目指すとしている。
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