デジタル改革のやり方が分からない――そんな企業を導くアクセンチュアのイノベーション・アーキテクチャとは:Weekly Memo(1/2 ページ)
ビジネスコンサルティングやシステム開発を手掛けるアクセンチュア。ビジネスの半分にデジタルが関わるようになった時代、同社は顧客企業に対してどのようなデジタル変革を推進しているのか。
「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」を開設
「私どもが手掛けているビジネスの半分に、何らかの形でデジタルが関わるようになってきた」――。こう語るのは、アクセンチュアの江川昌史社長だ。同社が1月18日に開いた顧客企業との連携を強化する新拠点「アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京」開設の発表会見でのひとコマである。
新拠点は、デジタルを活用したイノベーション創出のための機能を集約した場所で、東京都港区三田に開設。会見もそこで行われた。新拠点の内容については同社の発表資料をご覧いただくとして、ここでは江川氏が語った「ビジネスの半分に関わるデジタル」に注目し、同社が顧客企業に対して、どのようなデジタル変革を推進しているのか、を探ってみた。
まず、江川氏の会見での説明に基づいて、アクセンチュアの現在のビジネスについて紹介しておこう。同社は図1のように、「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーション」「セキュリティ」の6つの領域のサービスを、「通信・メディア・ハイテク」「金融サービス」「公共サービス・医療健康」「製造・流通」「素材・エネルギー」の5つの産業分野に向けて提供している。
図2が6つのサービスの内容である。ビジネスプロセスで言うと、左側が上流で右へ行くほど下流となる。ただ、デジタルは複数のプロセスに関わるので、右端に表記されている。
ちなみに、グローバルでの売上高は2017年度(2017年8月期)で349億ドル。日本円で4兆円に迫る規模だ。従業員数は43万5000人。いずれも着実な右肩上がりを示している。この中で、日本法人の従業員数は約1万人。グローバルの中での業績についても「2015年度までは6位だったが、2017年度では3位に上昇し、国の経済規模の比較と同じレベルになった」(江川氏)という。
アクセンチュアというと、コンサルティング会社のイメージが強いが、実は先ほどの6つのサービス領域のビジネス規模でいえば、ストラテジーを含めたコンサルティングが2割、システム開発を中心としたテクノロジーが4割、アウトソーシングを中心としたオペレーションが4割、デジタルとセキュリティはそれぞれに含む形になることから、「巨大なシステムインテグレーター」と見ることもできる。
そんな会社のビジネスの半分にデジタルが関わるようになった――。筆者が注目した理由は、そこにある。
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