デジタル改革のやり方が分からない――そんな企業を導くアクセンチュアのイノベーション・アーキテクチャとは:Weekly Memo(2/2 ページ)
ビジネスコンサルティングやシステム開発を手掛けるアクセンチュア。ビジネスの半分にデジタルが関わるようになった時代、同社は顧客企業に対してどのようなデジタル変革を推進しているのか。
サービスコンセプトは「イノベーションas a Service」
「イノベーションによって世界の人々の仕事と生活をより良くする」――。これはアクセンチュアのミッションである。ただ、そのイノベーションをデジタルを活用して創出するといっても、顧客企業からすると具体的に何をどうすればよいのか分からない。そこで同社が考案したのが、「アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャ」(図3)である。
江川氏によると、「リサーチ」「ベンチャー」「ラボ」「スタジオ」「イノベーションセンター」「デリバリーセンター」といった6つのグローバル共通の機能組織を設け、顧客企業にそれぞれ最新の技術やサービスを提供していくという考え方だ。そして、先述した新拠点のアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京は、このアーキテクチャにおいて両端を除いた「ベンチャー」「ラボ」「スタジオ」「イノベーションセンター」の4つの機能を集約した場所になるという。
さらに、アクセンチュア・イノベーション・アーキテクチャを推進していくにあたり、実際のアクションに向けて「アクセンチュアフォーム」と呼ぶイノベーション創出のための新しい方法論を考え出した。図4がその内容である。
江川氏によると、「要はお客さまと一緒に、左脳だけでなく、右脳も働かせながら議論して新しいアイデアを生み出していく手法。これからは全てのビジネスのスタートを、このアプローチで始めたいと考えている」とのことだ。
ちなみに、アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京で提供するサービスのコンセプトは「イノベーションas a Service」。図5がその内容である。
同社の立花良範 執行役員デジタルコンサルティング本部 統括本部長は、「ロジカルシンキングとデザインシンキングを組み合わせたアクセンチュアフォームを土台として、新規ビジネスや新製品・サービスの創出、組織・企業変革の支援を行っていきたい」と意気込みを語った。先述したアクセンチュアフォームの図4およびそれを土台とした図5の内容は、デジタル変革へのアプローチでもあるだろう。
会見の質疑応答で、江川氏と立花氏に「日本企業はデジタルを活用したビジネスにおいてグローバルで戦っていけるか」と聞いてみた。すると、江川氏は「かつては新しい技術が米国で生まれると3年遅れで日本に来たが、今はほぼ同時になった。むしろ、製造業におけるIoTの活用などは日本が進んでおり、グローバルに展開できるチャンスは大いにある」との見解を示した。立花氏も「ものづくりにおけるデジタル活用はまさに日本のアドバンテージであり、グローバル市場をリードしていけると確信している」と力を込めた。
ただ、新しい技術を素早く手に入れることができても、それをどう生かすかはまさしくアイデア次第だ。アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京を通じて、どのようなイノベーションがデジタルを活用することで創出されるか。その成功事例をぜひとも取材したいところである。
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