連載
「Spectre」「Meltdown」問題――今、情シスは何をすべきか?:Enterprise IT Kaleidoscope(4/4 ページ)
年初に公表された「Spectre」と「Meltdown」により、IT業界全体が振り回されている。対策も二転三転する状況が続いているが、情シスはどのようにこの問題に向き合えばいいのだろうか。
多くの企業では、複数メーカーのPCを導入しているため、それぞれBIOSアップデートの手順は異なる。PCによっては作業が難しく、ユーザーの手で行えないこともある。
その場合は、IT管理者が現場に行ってアップデートを行うのか、IT部門にPCを送ってもらい、アップデート作業をしてから返送するなどの手続きが必要になる。Intel vPro対応のPCなどであれば、リモートでもBIOSアップデートを行えるが、企業内PCの全てがvPro対応というケースは少ないだろう。過去にはvPro自体に脆弱性が発見されたこともある。
このような手間を考えると、数千台、数万台のPCを運用している企業にとっては、SpectreやMeltdownの対応に、どれだけ時間がかかるか分からないのが実情だ。
今後は、企業のIT管理として、PCのBIOSファームウェアも一括アップデートできるような仕組みが必要になるのではないだろうか。そのためには、社内でどのPCメーカーのどのモデルのPCが使われているのか、というIT資産管理のシステムも欠かせない。
現在、企業で運用されているIT機器はPCがほとんどであるため、PCだけを管理対象とすればよかったが、今後IoTなどが普及するにつれ、企業内部でもPC以外のデバイスが増えていく。そうなれば、自ずとネットワークに接続されたIoT機器などを管理、アップデートできる仕組みが求められるようになるはずだ。
関連記事
- プロセッサの脆弱性問題が炙り出した“IoT機器”のリスク
Intelが発表したプロセッサの脆弱性問題で見えてきたIoT機器のセキュリティリスクとは。 - 脆弱性対策パッチの導入中止を――「リブート問題」でIntelが呼び掛け
Intelは、現在出回っている脆弱性対策パッチについて、「リブートが予想以上に増えるなど、予想外のシステムの挙動を発生させる可能性がある」として、導入の中止を呼び掛けた。 - Intelの一部CPU搭載マシン、脆弱性対策パッチ適用でリブート増加
CPUの脆弱性対策パッチを適用した後に、IntelのCPU「Broadwell」および「Haswell」を搭載したマシンで、リブートの回数が増える現象が報告された。 - Intel、脆弱性対策パッチによるリブート増加問題やパフォーマンスへの影響について説明
「Meltdown」「Spectre」と呼ばれるCPUの脆弱性の対策パッチによってリブートが増加する問題や、サーバのパフォーマンスに及ぼす影響を調べたベンチマークの結果について報告した。 - 脆弱性対策パッチで6〜8%のパフォーマンス低下 Intelがベンチマーク公表
「Meltdown」「Spectre」と呼ばれるCPUの脆弱性の対策パッチがパフォーマンス与える影響について、第6〜第8世代の「Core」プロセッサとWindows 10を搭載したマシンのベンチマーク結果を公表した。 - プロセッサの脆弱性、Microsoftの対策パッチでパフォーマンス大幅低下も
Microsoftによると、2015年代以前のプロセッサを搭載したPCや、Windows Serverでは、対策パッチを適用すると、パフォーマンスに相当な影響が出ることが分かった。 - もはや「OSの自動更新」だけでは守れない? 「Meltdown」と「Spectre」のベストな対策は
新年早々、世間を騒がせている脆弱性、「Meltdown」と「Spectre」。この対応策、ちょっと一筋縄ではいかないようで……。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.