Google、「Android P」開発者プレビュー公開 “切り欠き”もサポート
Googleが、次期モバイルOS「Android P」の開発者プレビューを公開した。Appleの「iPhone X」にあるような“切り欠き”のサポートや屋内位置情報機能、メッセージのプッシュ通知の強化などの新機能がある。
米Googleは3月7日(現地時間)、次期モバイルOS「Android P」(コードネーム)の開発者プレビューを公開したと発表した。開発者は手動で正式サイトからダウンロードできる。
このプレビューをインストールできる端末は、Googleのオリジナル端末「Pixel」「Pixel XL」「Pixel 2」「Pixel 2 XL」のみ。これらは日本では販売されていないが、公式のエミュレーター「Android Emulator」で対応アプリを開発できる。
一般ユーザー向けのプレビューは例年、Google I/Oに合わせてリリースされてきた。今年のGoogle I/Oは、5月8〜10日だ。一般向けプレビューもPixelシリーズしかサポートしないのであれば、日本のユーザーは実機でプレビューできないことになる。(「Nexus 5X&6P」のAndroid OSサポート終了 「Pixel 2」日本投入なくアプリ開発者が困惑)
公式ブログで発表された主な機能から、幾つか紹介する。
iPhone Xのような“切り欠き”のサポート
うわさ通り、ディスプレイ上部に“切り欠き”のある端末での表示をサポートする。切り欠きは、Appleが「センサーハウジング」と呼び、一般には「ノッチ」などと呼ばれているセンサーなどを配置するための画面上部の欠けた部分。Googleはこれを「display cutout」と呼ぶ。Android P向けのアプリでは、開発者が意識しなくてもこの切り欠きを回避する表示が可能になる。
既に幾つか切り欠きのある端末が発表されており、メーカーによってそのサイズが異なる。Android Emulatorでは、3種類(narrow、tall、wide)の切り欠き画面でアプリをエミュレートできる。
「Wi-Fi RTT」サポートでの屋内位置情報
IEEE 802.11mcの「WiFi Round-Trip-Time(RTT)」プロトコルをサポートすることで、GPSの届かない屋内で、Wi-Fiのアクセスポイントとの距離に基づいた位置情報を取得できる。端末はアクセスポイントに接続するわけではないので、ユーザーのプライバシーは守られる。この機能で、オフィスやショッピングモールなどの屋内の正確なルートマップなどが開発できる。
メッセージングのプッシュ通知で会話も表示
「メッセージ」などのプッシュ通知で、会話や添付した画像も表示する。スマートリプライ(投稿の内容に合う返信の候補)も表示する。
その他
- マルチカメラAPI:両面デュアルカメラなどでその機能を生かす機能を追加するためのAPI
- BitmapFactoryより高度なビットマップデコーダーImageDecoderの採用
- HDR VP9 Profile 2、HEIFエンコーディングのサポート
- Neural Networks APIが1.1にアップデートし、パスワードマネジャーをサポート
- オートフィル(情報の自動入力機能)の改善
- プライバシー機能の強化
- 省電力機能の改善
詳細は公式ブログを参照されたい。
今後のスケジュールは、例年通りであれば、5月のGoogle I/Oで一般向けプレビュー公開、7月ごろに“お菓子ネーム”の発表、8月ごろに正式版がリリースされ、9月か10月に「Made by Google」イベントで新OS搭載のオリジナル端末が発表される。
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