ゲーム業界の情シス、ここがツラいよ――悩みを抱えた20人がCygamesに大集合:俺達の情シス ゲーム業界分科会レポート(3/4 ページ)
ITmedia エンタープライズ編集部主催の情シス交流会「俺たちの情シス」にゲーム業界を対象とした分科会が誕生。東京・渋谷のCygamesの本社でイベントを行いました。みんなで悩みを話してみると、意外と多くの企業が同じテーマで悩んでいた……!
エンジニアたちの「シャドーIT」にどう対応するか?
スマホアプリ運営会社のFさんは、BさんやEさんとは少し立場が違います。ゲームの制作ではなくプロデュースをする会社であるため、Unityなどのゲーム開発関連ツールとはあまり縁がなく、ライセンス契約もオフィススイートやAdobeの製品くらいだそう。
しかし、開発系の部署など、ITに詳しい人が自分たちが好きなソフトやチャットツールを使うようになってきており、最近では、社内に「Skype」「Yammer」「Slack」それぞれのユーザーがいるという状況を危惧しています。
「他社とのやりとりに必要ならやむを得ませんが、管理する側としてはできる限り統一したい。社内向けは1種類にし、対外的にどうしても使わなければいけないものは、その事実を把握して、ちゃんと統制ができている状態にしないといけません」(Fさん)
最近のチャットツールは、ほとんどがクラウドベースのアプリであるため、Fさんの会社ではCASB(Cloud Access Security Broker)サービスを導入して、シャドーITを監視する体制を取っています。ただ、ライセンス管理の面では、CASBよりも資産管理ツールが重要で、実態を把握するにはPCに何がインストールされているか調べるしかないとも思っているそうです。
アンケートに「社内セキュリティと利便性の両立が課題」と書いたのはソーシャルゲームメーカーに勤めるGさん。社内セキュリティの向上というミッションがある一方で、PCを持ち出して今回のようなイベントに参加したいという要望もある。「システムで一律に縛るのは簡単だが、マーケティングやエンジニアなど職種によっても状況は変わるため、落とし所をどう考えるかが難しい」と言います。
ライセンス管理にしても、現場で要望があればすぐに購入してあげたい反面、新規のライセンスをどんどん認めてしまうのはどうなのか、勝手に勧めてしまうと、後々ルールを整備するのが大変という背景もあり、利用者の声と管理側のバランスを考えないといけないと考えているそうです。「エンジニアの人が使いたいツールは、情シスには分からないものも多いので、1つ1つが勉強です」とGさん。
情シスは、エンジニアとのコミュニケーションには苦労している人が多い印象ですが、情シスにはGさんのようにベースがエンジニアという人も少なくありません。エンジニアの気持ちも分かるけど、管理がめちゃくちゃになってしまっても困るというジレンマに苦しんでいるように思います。
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