Facebook、予測を上回る増収増益 CAスキャンダルの影響はまだなし
個人情報不正流用スキャンダルの渦中にあるFacebookの1〜3月期の決算は、アナリスト予測を大きく上回る増収増益だった。DAUも13%増で、MAUは約22億人に上った。
米Facebookが4月25日(現地時間)に発表した2018年第1四半期(1〜3月)の決算は、売上高は前年同期比49%増の119億6600万ドル、純利益は63%増の49億8800万ドル(1株当たり1.69ドル)と過去最高を更新した。非GAAPベースの1株当たり純利益は2.21ドルだった。非GAAPベースの営業利益率は5ポイント増の46%。
売上高、純利益ともにアナリスト予測(売上高は114億1000万ドル、純利益は1.35セント)を上回った。
3月17日に発覚した個人情報の不正利用スキャンダルの影響は、少なくとも同四半期にはまだないようだ。
日間アクティブユーザー数(DAU)は13%増の14億4900万人、月間アクティブユーザー数(MAU)は13%増の21億9600万人だった。
前期に減少した北米でのDAUは、同四半期には再度増加した。
マーク・ザッカーバーグCEOは発表文で「大きな問題に直面しているにもかかわらず、Facebookのコミュニティも事業も2018年の力強いスタートを切った。われわれはFacebookが善のために利用されるよう、責任についてのさらに広い視野を持ち、改善のために投資していく。同時に、人々が繋がり、コミュニティを強化できるよう引き続き新たなツールを提供し続けなければならない」と語った。
業績発表後の電話会見では欧州連合が5月に施行する「GDPR」(一般データ保護規則)に関する質問が多かった。ザッカーバーグCEOもシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)も、GDPRの影響は未知数だが、競合も同じ条件で影響を受けるので問題視していないと語った。
同社はユーザーが提供する個人情報に基づくターゲティング広告を主な収入源としている。今後、ユーザーの多くがプライバシー設定を厳重にし、提供するデータを最小限にしたらサービスに影響すると思うかという質問に対し、サンドバーグ氏は影響はあると思うが対策可能だと答えた。
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