ニュース
「洗濯物が乾いた」を知らせてくれる 便利なIoT洗濯ばさみを東芝が開発中(2/2 ページ)
もうすぐ梅雨の季節。「IoT/M2M展」には、センサーで洗濯物の乾き具合を把握する洗濯ばさみが展示されていた。「まだ乾いてない!」という浴室乾燥機でのありがちな悩みから解放される日も近いかも?
「家の中のIoT」における難しさ
仕組みはシンプルではあるものの、開発には苦労した点もあった。通信と電波の問題だ。乾送ミミダスからクラウドへとデータを飛ばす方法として、SIMカードを差したゲートウェイを中間に置くことにしたが、センサー〜ゲートウェイ間で通信する手段が無線LANやBluetoothである場合、湿気などの水分で電波が弱くなってしまう。
「ゲートウェイがそばにあればいいものの、他の用途でもゲートウェイを使おうとすると、設置場所が途端に難しくなる。家電のそばに置くと電波が干渉する恐れもある」(説明員)
周波数の低い電波の方が、水分などの影響は受けにくいとのことだが、電波の規格がメジャーではなくなってしまうと、その規格でセンサーなどに実装するためのコストが増えてしまう。そのため、ひとまずセンサー〜ゲートウェイ間の通信にはBluetoothを使うことを考えつつ、さまざまな手法を検証中だ。家の中でIoTを活用しようと思えば、避けられない課題だろう。
「IoTというと工場などの複雑な仕掛けをイメージしがち。家を新築するなら、その段階からシステムを組み込めるが、建築を終えた家ではそうはいかない。家庭内で簡単に取り付けられる製品で、お客さまの期待に応えていきたい」(説明員)
乾送ミミダスは2018年度中の商品化を目指しているとのこと。身近で小さなIoTが、生活の小さな悩みを解決してくれる日は遠くなさそうだ。
関連記事
- IoTはレゴで学べ? 子供向けプログラミング教材「レゴWeDo 2.0」を見てきた
最近のレゴブロックはプログラミングを学べる教材に進化しているのをご存じだろうか。センサーを組み込んだモデルをプログラムで制御し、課題を解決する過程を遊びながら体験できる。小学生向けの教材ながら、ちょっとしたIoTを学ぶことができそうだ。 - 2020年には大ヒット? IoTビジネスの種6選
行政はIoTやAI分野の技術開発に大きな期待を寄せており、支援策も手厚くなっている。その波に乗り、新たなビジネスを創出するにはどうすればいいのか? IoT推進ラボ、「IoT Lab Selection」などの受賞事例から技術やアイデアのヒントを探してみよう。 - IoTを使って「ながら運転」を防ぐスマホケース登場、そのメカニズムとは?
車内にいる間はスマートフォンを使えなくする――IoTでそんな制御を行うスマホケースを使って、交通事故を減らそうとする実証実験が行われる。その仕組みは意外とシンプルなものだった。 - ヤマハと富士通がタッグで解説、「IoTビジネス」の作り方
IoTや人工知能といった先端技術を使って、どのように新ビジネスを生み出すのか。ヤマハと富士通の共創プロジェクトから、この難題に対するヒントが見えてくるかもしれない。 - 「IoTでビジネスはできないだろうか?」という質問への回答
IoTビジネスの展開を考えるとき、成否を分けるものとは? 「ビジネスプロセスを変革する取り組み」という側面からIoTに注目すると、問題の本質が見えてきます。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.