Facebook、52社以上のIT企業とユーザーデータを共有──747ページの回答書で説明
FacebookのザッカーバーグCEOがCAスキャンダル後に出席した米連邦議会の公聴会から持ち帰った多数の質問に対する回答書を提出期限当日に提出し、それを議会が一般公開した。ユーザーデータの共有を許可したAppleやHuaweiを含む52社のリストもある。
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが4月の米連邦議会下院エネルギーおよび商業対策委員会の公聴会から持ち帰った質問への回答書を回答期限である6月29日(現地時間)、同委員会が公開した。747ページある。
5時間にわたったこの公聴会では、Cambridge Analytica(CA)によるユーザーデータ不正流用やプライバシー保護問題についての多数の質問が投げられ、ザッカーバーグ氏は多くの質問に対し、「持ち帰ってチームで確認する」と答えていた。
同社は6月11日に議会に提出した回答書で既に、APIを通じて中国Huaweiや米Appleなど数社にユーザーデータ収集を可能にしていたと説明していた。今回の回答書では、このAPIを利用できていた(一部の企業はまだ利用できている)企業52社のリストが含まれる。
端末メーカーだけでなく、オンラインサービスの中国AlibabaやWebブラウザのMozillaやOperaも含まれる。このうち38社は既にこのAPIを使っていないが、残り7社については遅くとも10月までに終了する計画。ALS患者がFacebookを利用するための視線追跡ツールを提供するTobiiの他、Apple、Amazon.com、Mozilla、Alibaba、Operaに対しては今後も“限定的なデータ”の提供を続けるとしている。
Facebookは回答書で、ユーザーデータの提供の目的はFacebookの体験をユーザーに提供するための手段の1つだと強調している。また、このAPIはCambridge Analyticaが8700万人分のユーザーデータを集めた際に使ったものとは異なると説明している。
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