俺たちはRPAとどう付き合えばいいのか? RPAで失敗しないための「5つのステップ」とは:俺たちの情シス 第11回 レポート(2/3 ページ)
2018年7月に開催された俺たちの情シス。「俺たちはRPAとどう関わればいいのか」と題し、RPAの導入から活用にまつわる情シスの悩みを本音で語り合いました。
RDAの導入から始めるのも一つの手
次のテーマは、Gaiaxで実際に利用しているRPAについて。岡本さんはまず、「RPAには、2つのロボティックオートメーションがある」と説明。「Robotic Process Automation」と呼ばれるいわゆるRPAと、もう一つが「Robotic Desktop Automation」、つまりRDAです。
両者の違いは、サーバタイプかデスクトップタイプかということ。RPAの場合は、サーバ上のロボットがPC上の作業を行います。RDAは、クライアントPC側にロボットがいて、オートスケジュールで作業を自動化します。
岡本さんによればGaiaxでは、RPAではなくRDAを使っているとのことでした。理由は「導入しやすいから」。もし、情シス部門でRPAを入れるのなら、「RDAから入れてみる方がよいかもしれない」といいます。なぜなら情シス部門は「人手が足りていないところが多い」から。そんな場合は、「デスクトップ型を選ぶ手もある」という考え方です。
また、定常業務がほぼ毎日ある、というのも理由の一つです。「日々、決められた時間帯にブラウザを開いて、メールが来てないか確認し、必要に応じてコピペして……という仕事の繰り返し。しかも、ミスができない仕事ばかり。情シス部門はコストセンターなので、何かしようにもなかなかお金をかけられない。それなら、デスクトップで動くRDAから導入するのがいい」というのが岡本さんからのアドバイスでした。
RPA・RDAの導入で失敗しないための5ステップ
岡本さんのLTのポイントは、最後の「RPA・RDAの落とし穴」に集約されていました。
「このテーマは、聞きたい人が意外に多いのではないかと思って、『赤裸々に』話します」(岡本さん)
ありがちな落とし穴の一つは、自動と言いつつも、「人がやるべきこと」も残っているということ。それを忘れると、落とし穴にハマってしまいます。
ミスが許されない業務では、目視確認が不可欠。例えば、1000件の顧客リストの入力業務を最初から「自動化できます」と言い切ってしまうのはリスクが大き過ぎます。まずは、本当にRPAやRDAを使えるかどうか、きちんと動くのかどうかを確認する必要があるとのことでした。
「その上で、最初は入力補助の業務の自動化から使い始めて、重要なところは人間が作業する。人間の目でミスがないことを確かめる――といった使い方がよいと思う」(岡本さん)
もう一つの落とし穴は、エンジニアや開発者向けの技術的な部分にあると岡本さん。RDAをVBAやPythonを使って開発するとき、「エンジニア泣かせの仕様が多い」といいます。
「例えば、HTMLタグにnameやidの属性が付いていないものがあり、どうやって特定するのかを考えなくてはならないとか、name属性にvalueという名前が付いていて、プログラミングすると『value value』となってしまい、コンパイルエラーが出るなど、普通では考えられないことが多かった」(岡本さん)
そして、岡本さんが挙げた最後の落とし穴は、「誰が作ったのか分からないロボットが“野生化する”」というもの。せっかくロボットを開発しても、そのロボットを誰も管理しておらず、気が付いたら担当者がいなくなっていて、勝手に動いている……といったものが、少しずつ増えてしまうケースがあるといいます。
「野生化したロボットの話はよく耳にするし、当社でも実際にありました。基本的には、『誰が作って管理するのか』をチェックツールで監視する仕組みにしています」(岡本さん)
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