大手とは“共創”の、中堅・中小とは“IT活用”のパートナーに キヤノンMJグループ、組織刷新の効果は:Weekly Memo(1/2 ページ)
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)グループがIT事業を強化した。複写機やカメラ、プリンタなど多彩な事業を手掛ける同グループが推進するIT事業は、ユーザーから見てどこが魅力なのか。この機会に探ってみたい。
キヤノンMJグループにとってIT事業は重点戦略
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)と同社の子会社であるキヤノンITソリューションズが先頃、IT事業を強化するため、新たなデータセンターを設けることを発表した。
発表会見では、キヤノンMJの取締役常務執行役員エンタープライズビジネスユニット長でキヤノンITソリューションズ代表取締役社長を務める足立正親氏と、キヤノンITソリューションズ取締役常務執行役員ITインフラサービス事業統括担当の笹部幸博氏が説明に立った。
キヤノンMJの取締役常務執行役員エンタープライズビジネスユニット長でキヤノンITソリューションズ代表取締役社長を務める足立正親氏(右)と、キヤノンITソリューションズ取締役常務執行役員ITインフラサービス事業統括担当の笹部幸博氏
キヤノンの国内販売子会社であるキヤノンMJは、複写機やカメラ、プリンタなど多彩な事業を手掛けている。IT事業についてもキヤノンITソリューションズを1982年に設立した頃から着実に実績を重ねてきた。とはいえ、大手のITベンダーとは異業種と位置付けられることから、当初はかなり苦労が多かったと取材を通じて記憶している。
そこで、新データセンターの内容については発表資料をご覧いただくとして、ここでは足立氏と笹部氏が会見で説明したキヤノンMJグループのIT事業の最新事情と、ユーザーから見てどこに魅力があるのか、を探ってみたい。
まず、図1がキヤノンMJグループの全体像である。この図のポイントは、長年に渡って製品別だった事業ユニットを、2018年から顧客別にして「顧客視点の組織に改めた」(足立氏)ことである。
キヤノンMJグループにとってのIT事業は、2019年から始まった中期経営計画でも「ITソリューションを中心とした市場拡大領域における利益ある成長の実現」と、重点戦略の1つに掲げられている。
同グループのITソリューション事業の売上高は、2018年度(2018年12月期)で前年度比8.6%増の1977億円と、ほぼ2000億円規模になった。足立氏によると、今後この売上高を2021年度には2300億円とし、同グループの売上高構成比で35%へ引き上げたい考え。さらに、次期長期経営構想(2021〜2025年度)期間中には3000億円を達成したいと明言した。
関連記事
- 「Weekly Memo」記事一覧
- デジタル時代に企業が行うべきこと 価値創造のための3つのステップとは
デジタル時代に企業が行うべきことは何か――。先ごろ取材したNTTデータの本間洋社長のスピーチが興味深かったので紹介したい。キーポイントは「3つの価値の掛け合わせ」である。 - デジタルビジネスで負けたくなければ、この5つの要素に注目せよ ガートナーのトップアナリストが指南
企業がデジタルビジネスを進めていくうえで考えるべきことは何か。Gartnerのトップアナリストが、この点について語った。その内容とは――。 - OCR前提の紙資料の撮影、タブレットのカメラで――キヤノンMJが提供へ
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)が、タブレット端末のカメラで紙文書を撮影してデータ化する「Mobile Captureソリューション」を提供する。 - 金融・流通は約30%がデジタル革新の成果を創出、成功要因は6要素――富士通のグローバル調査
富士通の調査によると、デジタル革新は具体的なビジネス成果を生み出すフェーズに移行しており、金融・流通は約30%が既にデジタル革新の成果を創出していた。デジタル革新の成功要因は「リーダーシップ、人材、エコシステム」など、6つの要素があることが判明した。 - Amazonに見るデジタルトランスフォーメーションの神髄
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、これまでの仕事のやり方をいったん破壊して、「IT/デジタル技術が存在しているという前提で新たに構築し直す」ということ。それを体現し、成功したのがAmazonなのではないでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.