今だから話せる、関西情シスの裏話「上司からのトンデモ特命」「“脱“で有名なアレも使いよう?」――「大阪俺情」の夜が熱かった:俺たちの情シスin大阪 第1回 レポート(1/4 ページ)
関西では初の開催となった2019年2月「俺たちの情シス」では、ライトニングトークに7人が登壇。SIerからユーザー企業に転身して見えた実情や、ソフトウェアライセンス管理で苦労の末に編み出した技、自社にサイバー攻撃を仕掛けた経験など、さまざまな話が飛び交いました。
エンタープライズ編集部主催の情シス交流会「俺たちの情シス」が、ついに関西に進出! その記念すべき第1回が、2019年2月5日に大阪で開催されました。
初回のテーマは、参加者の皆さんがお互いのことを知って仲良くなれるよう、「情シスとしての課題や悩み」に設定。ライトニングトーク(LT)では、7人の登壇者が、日頃感じている情シスとしての「悩み」や「課題」を話しました。
「まず、自分から動く」が突破口に――SIから情シスに転身したKさん
トップバッターは、某食品系企業にお勤めのKさん(仮名)。13年間、SIerやソフトハウスでシステムの開発と構築に携わった後、企業の情シスに移りました。
「SIerの立場では踏み込めない領域まで入り込んでユーザーに関わりたい」「自分の仕事をもっと身近に感じたい」――。そう思って転身したKさんでしたが、現実はそう甘くなかったようです。
会社のITリテラシーがそれほど高くないことは、それなりに想定していたものの、「モニターやケーブルがつながっている機械のことなら何でも面倒見てくれるんでしょ?」といった“家電量販店の店員さん”的な扱いには閉口することもあったといいます。
「実際に情シスとしてユーザーに関わるようになったら、SIerの立場よりも口出しができなくなったんです(笑)」(Kさん)
しかもKさんの会社は情シスの離職歴が高く、勤続3年以上の社員はほとんど残っていない状況。もちろん、申し送りの資料などは残す文化もなかったといいます。「自分の転身は間違っていたのかもしれない……」と、一時は後悔もしたKさんでしたが、気を取り直して、社内の情報環境整備に一から取り組みました。
例えば、Active Directoryを使ったユーザーの環境設定自動化、メール環境のクラウド移行、Excelの切り貼りによるデータ管理をなくすためのツール作り、プロジェクト管理ツール「Backlog」による案件管理や保守作業の記録とナレッジ化などなど……。
「私は以前、東京で開催された『俺たちの情シス』に参加したことがあり、そこで皆さんと思いを共有する経験ができたことで、『まずは自分から動いていこう』『もう少し頑張ってみよう』と思えるようになりました。だから今回も、まずは自分から動いてみたのです」(Kさん)
こうして地道な取り組みを続けるうちに、Kさんの同社での情シス歴も2年になりました。最近では、少しずつ、社内での理解も進み、新しいことに取り組めそうな気配も出てきているそうです。
目下の一番の悩みは、「上司のITリテラシーが低い」こと。最新のテクノロジーをキャッチアップできない上司は、どんなシステム連携も「CSVでできるでしょ?」と結論付けてしまうため、なかなか技術的な新しいチャレンジができないのだといいます。この“何でもCSV地獄”には、来場者の中にも賛同する人がちらほら。
「とはいえ、実際に動くものを見せて説明すれば分かってくれるようにはなってきましたので、その意味では希望があります。まずは自分の周囲から納得してもらい、少しずつ社内での陣地を広げていこうと思っています」(Kさん)
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