Facebookを米住宅当局が提訴、ターゲティング広告での差別で
米住宅都市開発省が、Facebookの不動産関連広告で広告主が人種や性別で広告を表示するユーザーをターゲティングできる機能は差別に当たり、構成住宅法に違反するとして同社を提訴した。Facebookは既にこの問題への対処を発表済みだ。
米住宅都市開発省(HUD)は3月28日(現地時間)、米Facebookの不動産のターゲティング広告の表示対象の絞り込みは差別に当たり、公正住宅法に違反するとして同社を提訴したと発表した。
Facebookは19日、ターゲティング広告での差別で複数の団体から提訴されていた裁判で和解した際、違法な差別を行えないようシステムを改善すると約束している。
HUDの訴訟でこのシステムが違法と判断されれば、制裁金や損害賠償などが発生する可能性がある。
HUDは、Facebookが住宅関連広告を閲覧できる人を、人種、肌の色、出身国、宗教、家族構成、性別、心身障害の有無などの個人情報に基づいて違法に制限していると指摘した。
Facebookは米非営利メディアProPublicaなどに対し、「われわれはHUDの懸念に対処するために協力してきたし、既に広告での差別を防ぐための措置をとっているので、HUDの決定には驚いている」という声明文を送った。
Facebookのターゲティング広告での差別的な絞り込みについては、ProPublicaが2016年に初めて報じた。Facebookは2017年には、人種差別などの不適切なキーワードによるターゲティングができてしまう問題に対処した。
米Washington Postによると、HUDは昨年、米Googleおよび米Twitterに対しても住宅関連広告での違反の可能性を調査すると通告したという。2社に対する調査は現在継続中とみられる。
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