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「あなたの位置情報、見られてまっせ」――iOS 13で可視化されたもの:半径300メートルのIT(3/3 ページ)
お手持ちのiPhone、iOS 13へのアップデートは終わっていますか? もしかしてアップデートから数日後に「なんだ、これ?」と思うような通知を受けていないでしょうか。実はAppleは、ユーザーのプライバシー情報を保護するための機能を強化していたのです。
iOS新機能が気づかせてくれること
今回の件で、プライバシー意識の向上には「可視化」が非常に重要であることを、身をもって体験できました。iOS 13の新機能は、プライバシーに関する情報の取り扱いが軽視され続けてきたことに対して、OS提供側がかなりの強権を発動した結果ともいえるでしょう。
アプリの設定時に、ほとんど何の説明もなく、「それでは許可を押してください」とだけ表示して、緩い設定を強いる事例は珍しくありません。Appleは、このような例の増加を問題視していたのではないかと思います。ユーザーとしては、今回の新機能は非常にうれしいものになるはずです。
ただ、問題はこれらの機能でアプリ開発者に強いたようなガバナンスが、OS提供者自身にも効いているのかということ。サードパーティー開発者だけ締め上げていたのに、Appleだけがガバガバでした――などということがないようにしてほしいと思います。残念ながらそれに関しては、継続して厳しい視線を送り続けるくらいしかないのですが。
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