ニュース
ブロックチェーンは「幻滅期」の谷底へ 今後5〜10年で社会的インパクトをもたらす技術に成長――ガートナー予測
ガートナーによると、世界市場におけるブロックチェーン技術は、新技術登場初期の注目や期待が集まる「『過度な期待』のピーク期」を過ぎ、関心が薄れる「幻滅期」の谷底に向かっているという。今後、実用的なユースケースを経て普及期に向かい、5〜10年先に変革的なインパクトをもたらすと予測する。
ガートナージャパンは2019年10月18日、世界市場におけるブロックチェーン技術の動向を分析した「ブロックチェーンテクノロジーのハイプ・サイクル:2019年」を発表した。
ブロックチェーンは、ハイプ・サイクルの「幻滅期」の谷底に向かっているという。今後、テクノロジーの進化に伴って、ブロックチェーンの特徴を生かした実用的なユースケースの展開が広がり、2021年までには幻滅期から脱し始めると予測している。
ガートナーのパイプ・サイクルは、テクノロジーの成熟度、普及度、ビジネス課題への適用度などを「黎明(れいめい)期」「『過度な期待』のピーク期」「幻滅期」「啓蒙(けいもう)活動期」「生産性の安定期」の5段階で示したもの。
このうち幻滅期は、実験や実装で成果が上がらず、テクノロジーや市場への関心が薄れるフェーズを指す。テクノロジーを提供するメーカーやプロバイダーは、この時期に淘汰(とうた)または再編される。テクノロジーは、この後に続く「啓蒙活動期」に、ビジネス価値を示す実用的な事例が増えて理解が広まり、第2世代、第3世代の製品も登場するなど、徐々に普及し、主流採用が始まる「生産性の安定期」を迎えるとしている。
ブロックチェーンの現状は実験段階 実用化はいつ?
関連記事
- 「5G」「バイオチップ」が“期待のピーク”に 「デジタルエコシステム」や「高度なアナリティクス」がビジネスの鍵
ガートナーの2019年版「ハイプ・サイクル」によると、地球全体のカバレッジを目指す「低軌道衛星システム」や「5G」、完全自動運転の「自律走行(レベル5)」、身体能力を拡張する「バイオチップ」などが、注目度の高い「過度な期待」の時期に挙がった。 - 国内ブロックチェーン市場は混迷が続くも、期待値は極めて高い――ガートナー調べ
ガートナーの調査によると、ブロックチェーンはビジネス活用に向けた模索が続く停滞期にあり、経営層への理解も進んでいないなど、普及には時間がかかる見込み。一方で、企業の65%がその将来性に期待を寄せており、市場拡大の可能性を示唆しているという。 - 世界のソーシャルソフトとコラボレーション市場、2023年までに2倍成長 活用のカギは従業員――ガートナー予測
ガートナーは、ソーシャルソフトウェアとコラボレーションの世界市場は、2023年までに現在の約倍の48億ドル規模に成長すると予測。企業のデジタルジャーニーの成否は、そうしたコラボレーションで形成されるデジタルワークプレースの活用いかんによるという。 - ブロックチェーン活用したデータ分析の実証実験開始 行動履歴から次の行動を予測
デジタルチケットの使用履歴からユーザーが次にとる行動を予測し、適切なタイミングでスマートフォンにおすすめを通知する。NTTデータが独自開発したブロックチェーン技術を活用し、個人属性情報を取得せずにデータ分析を行うという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.