国内サーバ市場、1.6%減のマイナス成長となるも、クラウド向けやスパコン需要に成長の兆し?――IDC調査
IDC Japanによると、2020年第1四半期の「国内サーバ市場」の売上額、出荷台数はともに前年同期比でマイナス成長となった。この要因は、主にデータセンター用途などのx86サーバやメインフレームの需要変化にあると分析。ただし、クラウドサービスやスパコン向けの需要は、前年比プラス成長の動因となった。
IDC Japanは2020年7月2日、2020年第1四半期(1〜3月)の「国内サーバ市場」の動向を発表した。
マイナス成長となった国内サーバ市場、明暗が別れた製品は?
2020年第1四半期の同市場全体の売上額は1401億円で、前年同期から1.6%減少のマイナス成長となった。出荷台数は11万9千台で、前年同期から7.8%減少した。
製品別にみると、「x86サーバ」と「メインフレーム」が前年同期比で2桁のマイナス成長となった。その一方、「その他のサーバ」は、スーパーコンピュータ「富岳」の出荷がけん引し、3桁のプラス成長となった。
なお、x86サーバは、x86アーキテクチャのプロセッサを採用し、Windows、Linuxなどのオープン系OSを搭載したサーバを指す。Itaniumプロセッサを搭載したサーバやベンダー独自OSを搭載したサーバは含まれない。
その他のサーバは、x86サーバとメインフレーム以外のサーバで、「ARMサーバ」「RISCサーバ」「IA-64サーバ」「ビジネスサーバ」を含む。
また、x86サーバは、「スタンダードサーバ」と「カスタムサーバ」に分類される。スタンダードサーバは、ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバで、標準的なマザーボードや筐体をベースとしたもの。カスタムサーバは、主にクラウドサービスベンダーなどのユーザー企業が「ODM(Original Design Manufacturing)ダイレクト」(直接メーカーから製品を購入できる販売形態)など経由で調達するサーバで、マザーボードや筐体が特定の顧客や用途向けに設計されたサーバを指す。
x86サーバ、メインフレームに影? クラウド向けとスパコン需要はプラス成長
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