「成功するDX」と「失敗するDX」の違いはどこにあるのか:Weekly Memo(1/2 ページ)
企業が取り組むDXにおいて、成功と失敗のパターンの違いはどこにあるのか。日本マイクロソフトの提案を基に考えてみたい。
まずは図1をご覧いただきたい。今回はこの図がテーマである。
「データを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)実現のためのキーポイント」と題したこの図では、DXの失敗パターンが左側に、成功パターンが右側に描かれている。
左側は「経営層がデータ活用自体を課題に」上げ、その対応を指示された「IT部門だけでデータ処理ツールを導入」して「取りあえずデータをかき集めた」が、「業務の現場が混乱してデータ活用が浸透せず」に、経営層に何の効果も洞察もフィードバックできなかったことを示した図である。
一方、右側は「現場起点で課題を抽出」し、その課題解決に向けた「目的に沿ったデータの収集」を行い、DXに向けた「現場訓練を伴いながら少しずつデータを活用」できるようにすることで、「新たな課題の発見や高度なデータ活用へ」と活動を広げ、そこで得た効果や洞察をまた現場起点での課題抽出に生かす。このサイクルを回し続けることを示した図である。
そして、下段に「現場の課題解決手段として、データ活用を考える」というキーポイントが明記されている。
図1は、日本マイクロソフトが2022年4月に行った通信およびメディア業界に向けた最新の取り組みについての記者説明会で、最後にサラリと説明したものである。筆者はこの図に着目した。特定の業界向けではなく、あらゆる企業を対象としている上、DXの成功と失敗のポイントを突いた分かりやすい内容だったからだ。そこで、この図についてさらに知りたいと同社に取材を申し入れ、このほど話を聞くことができた。
企業のDXは現場起点での課題抽出から始めるべき
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