大津市が「持ち運べる市役所」化 NAS導入で職員の働き方やデータのバックアップ環境はどう変わるのか
滋賀県大津市は、行政DXの基盤構築に「Dell PowerScale」を採用した。庁内のNAS40台を1台に集約し、市民サービスを向上させ、業務を効率化する「電子市役所」の実現を図る。災害対策業務を効率化し、サイバーセキュリティも強化したとしている。
デル・テクノロジーズ(以下、デル)は2022年8月1日、滋賀県大津市がオープンネットワークストレージ「Dell PowerScale」を採用し、庁内にある40台のNAS(ネットワークHDD)を1台に集約したと発表した。
新しいストレージ基盤は2022年2月から本番稼働を開始した。これにより、同市は行政DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、いつでもどこでも職員が業務を遂行できる「持ち運べる市役所」の実現を目指すとともに、災害対策業務の効率化とサイバーセキュリティの強化を図る方針だ。
大津市デジタルイノベーション戦略」と「持ち運べる市役所」構想
大津市は「大津市デジタルイノベーション戦略」(注1)を策定し、先進技術やICT(情報通信技術)の活用による業務効率化と市民の利便性向上を図る行政DXに取り組む。庁内業務を止めずに市民に安定したサービスを提供するため、システムの高い可用性と冗長性の確保を重視する他、サイバー攻撃などについて職員への監査や教育、啓発活動を実施し、システムと人の両面で被害防止に努めているという。
大津市デジタルイノベーション戦略の一環として、時間や場所に縛られない働き方の実現に向け、同氏は2-in-1ノートPCの導入を決定した。これに伴い、職員向け仮想デスクトップのユーザープロファイル領域や業務データを保存するための新たなストレージ基盤が必要になった。
加えて、庁内に分散したファイルサーバを統合、集約し、運用管理の負荷を下げてリソースやコストの全体最適化を図る必要があった。テープ装置を利用したバックアップ、DR(災害対策)業務の改善も課題だった。
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