リコーリースがCRM刷新で「データドリブン営業」強化へ 「Dynamics 365」を活用
リコーリースは、CRMをDynamics 365に移行した。基幹システムとほぼリアルタイムで連携する他、営業日報やOutlookのスケジュール機能、Power BIとも連携し、業務効率化と営業力強化を図る。
日本マイクロソフトは2022年8月8日、リコーリースがCRM(営業支援システム)をクラウド版「Microsoft Dynamics 365」(Dynamics 365)に移行したと発表した。
リコーリースはオンプレミスのCRMからDynamics 365へ移行する最大の理由として、クラウド版はバージョンアップ作業が必要がなく、常に最新機能を利用できることを挙げる。「Microsoft Outlook」や「Microsoft Power BI」といったMicrosoftツールとの連携が容易なことも評価したという。
営業部門の要望に応えられない、陳腐化したオンプレミスCRM
中小企業を中心にリース関連のファイナンスサービスを提供するリコーリースは、2014年からオンプレミスで「Microsoft Dynamics CRM Server 2011」(Dynamics CRM)を利用していた。主にフィールドセールス(注1)とインサイドセールス(注2)で顧客との関係性を構築したり深化させるための情報基盤として活用してきたという。
移行を主導した同社BPT本部 情報システム部によると、CRMのバージョンが古くなるにつれ、営業部門の要望に対応することが難しくなっていったという。
例えば、Dynamics CRMに入力する営業日報がOutlookのスケジュール機能と自動的に連携されるよう設定していたが、2019年の「Office 365」から「Microsoft 365」への移行で連携がうまくいかなくなった。それからはCRMとOutlookに営業日報を二重入力することとなり、その負担が課題になっていた。
Dynamics CRMの機能も陳腐化しており、「営業業務の効率化を推進するために最新の技術や機能を取り込む必要がある」と考えた同社は、2020年4月、次世代CRMの検討を開始した。
関連記事
- Microsoft Azureで「マルチドメインMDM」が利用可能に Power BIでガバナンス管理強化
インフォマティカは、Microsoft Azureで利用できるマルチドメイン対応のMDM「Multidomain Master Data Management-as-a-Service」を発表した。複数ドメインにまたがるデータの取り込みから活用までの情報サプライチェーン全体にわたるマスターデータ管理をAzureで実現する。 - AIを導入すればデータドリブン企業になれる? 企業が直面する課題と解決策を聞いた
データを活用するためにAIを導入するのは自然な流れだ。一方でAIを導入しても失敗するケースもある。企業が直面しやすい課題とその解決策を知ればデータドリブン企業に近づける。 - テレワーク一辺倒からどう変わる? 日本マイクロソフトが語る「ハイブリッドワーク」進化論
ニューノーマル時代の新たな働き方として注目される「ハイブリッドワーク」はこれからどう進化していくのか。日本マイクロソフトの考え方から解き明かしたい。 - 北海道電力がMRを活用した巡視点検アプリケーションを使用開始 導入に至ったワケ
「熟練の技術を若手に継承したいが十分な時間がない」などの課題を持つ企業は多い。技術的な分野では知識に加え、経験によってもたらされる「嗅覚」のようなものも重要だ。北海道電力は、これら「伝承作業」を支援するサービスの利用を開始した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.