NECの成長領域「コアDX事業」とは? “DXの最前線”のトレンドを読む:Weekly Memo(1/2 ページ)
DXの最前線は今どのように動いているのか。NECが成長領域と位置付ける「コアDX事業」からそのトレンドを探ってみたい。
NECが2022年9月7〜8日に、機関投資家や証券アナリストを対象とした個別事業説明会「NEC IR Day」をオンラインで開催した。その中で、同社が成長領域と位置付ける「コアDX事業」の説明内容に、DX(デジタルトランスフォーメーション)のトレンドにおける最前線の動きを感じたので、本稿ではその視点から同社のコアDX事業を取り上げる。
説明役を担ったのは、同社でCDO(チーフデジタルオフィサー)を務める堺 和宏氏(執行役員副社長)だ。
「NEC Digital Platform」でDXニーズに対応
NECのコアDX事業は「コンサルティング起点ビジネス」「共通基盤」「新事業機会」の3つからなる。売り上げ規模の急拡大を図り、国内IT事業のけん引役に育て上げる計画だ。以下、3つの事業を見ていこう。
1つ目のコンサルティング起点ビジネスは、同社の子会社であるアビームコンサルティングを中心にグループとしてシナジー効果を上げていこうというものだ。ビジネス拡大に向けた施策として、2022年度(2023年3月期)には社会課題や経営アジェンダに焦点を当てた「戦略顧客アプローチ」7社と、具体的な「案件アプローチ」7社を選定し、確実に成果を上げていきたいとしている(図2)。
筆者が注目したのは、DXのコンサルティングとして「戦略別」と「案件別」に分けたアプローチを掲げている点だ。もちろん、ITコンサルティングでは以前からこうしたアプローチが採られてきたが、DXに向けてとなれば、技術面や進め方といった“中身”も大きく変わるはずだ。この動きは今後のDXトレンドにおける注目点の一つになるのではないか。
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