Microsoft Edgeの組み込みVPN機能、正式リリース間近か?
Microsoft EdgeのVPN機能である「Microsoft Edge Secure Network」の正式リリースが近づいているとのうわさだ。最近、安定版に同機能が搭載されたと複数のユーザーから報告があった。
コンピュータ情報サイトの「Bleeping Computer」は2023年2月26日(現地時間)、Microsoftが1年ほど前に発表した「Microsoft Edge」(以下、Edge)にVPN機能を組み込んだ「Microsoft Edge Secure Network」の正式リリースが近づいていると報じた。
Microsoft Edge Secure Networkはこれまで、プレビュー版として開発版のEdgeに導入されていた機能だが、最近、安定版に実装されたとの報告がユーザーから上がっている。
Edgeの無料VPN機能、リリース間近か
Microsoftは2022年4月頃からEdgeの新機能であるMicrosoft Edge Secure Networkに関する情報を公表し始め、同年5月には開発版のEdgeを利用するユーザーに対して試験的にプレビュー版として、機能の提供を開始した。
Microsoft Edge Secure Networkは、MicrosoftがEdgeに対して提供する限定されたVPN機能だ。Cloudflareのサービスを利用してVPNの機能を提供する。現時点では特定の容量まで無料で提供されており、安全な通信が必要とされるケースでの活用が期待されている。
Microsoft Edge Secure NetworkとVPNの最大の違いは選択先を選べるかどうかという点にある。通常のVPNサービスは接続先を選択できるものが多く、地域を超えた接続が可能だ。対して、Microsoft Edge Secure Networkは近い場所の接続ポイントに接続して暗号通信を提供する。このため、Microsoft Edge Secure Networkでは接続地域を変えられない。
Microsoftが1年ほど前に発表したMicrosoft Edge Secure Networkだが、最近になってEdgeの安定版にこの機能が導入されたと報告するユーザーが出てきた。Microsoftがこの機能を正規の機能として提供する可能性があるものとみられる。現状から大きな変更がなければ、Googleと異なりMicrosoft Edge Secure Networkは全てのユーザーに無料で提供されるものとみられる。
正式な機能として公開された場合、通信量は月にどの程度まで無料で提供されるかが注目される。Microsoftは恒常的に同機能を使うケースではサブスクリプションなどを検討することになるとみられるが、一時的に信頼できない場所でMicrosoft Edgeを使う場合などは、Microsoft Edge Secure Networkは魅力的な機能になるだろう。
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