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OpenAIがGPT-4を公開 従来モデルと比べて何が変わったか?
OpenAIは次世代言語モデルの最新版「GPT-4」を発表した。従来のモデルと比較してより複雑な質問をより正確に理解し推論および指示追跡を実施できるようになった他、不適切な質問への対応も向上したとされている。
OpenAIは2023年3月14日(現地時間、以下同)、次世代言語モデルの最新版となる「GPT-4」を発表した。従来の「GPT」「GPT-2」「GPT-3」といった生成AI(人工知能)の研究成果を反映した最新版であり、これまでよりも複雑な文章を理解し、高い推論機能と指示追従機能を実現している。
ついに「GPT-4」が登場 GPT-3.5と比べてどう進化した?
従来の言語モデルと比較したGPT-4の主な特徴は以下の通りだ。
- GPTやGPT-2、GPT-3、「ChatGPT」の研究成果を反映し、より高度で高性能な言語モデルを実現
- 評価試験においてGPT-3.5と比較して不適切なコンテンツリクエストに対応してしまう確率が82%低下した他、事実に基づいた対応をする確率が40%向上した
- 従来よりも一般常識に詳しくなり、より難しい問題を正確に解くことが可能
- より高度な推論機能および指示追従機能を実現
- 統一司法試験やバイオロジーオリンピアードでより高い得点を実現
- GPT-4は「Microsoft Azure」(以下、Azure)のAIスーパーコンピュータで学習しており、AIに最適化されたAzureのインフラストラクチャを使ってサービスが提供される
- GPT-4は「ChatGPT Plus」で利用できる他、開発者がアプリケーションやサービスを構築するためのAPIも提供される
- テキストと画像の入力に対応するマルチモーダルな言語モデル
GPT-4はGPT-3を改善した内容になっており、GPT-3よりも複雑な質問を理解し、より正確な内容の情報を、より自然な文章として生成できるようになった。OpenAIは、「GPT-4を多くのユーザーに使ってもらいながら、定期的にアップデートを提供する予定だ」と説明している。
なお同技術には限界があることも知られており、不適切な質問に答えてしまったり、生成される文章が自然なものであっても内容が間違っていたりすることがある。OpenAIはこうした点について、これまでの言語モデルよりも改善されたと説明しているが、それでもまだこうした不適切な情報が生成される点には注意して利用する必要があるだろう。
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