ChatGPTはおしゃべりな友達 “機密情報の漏えいリスク”に要注意
「ChatGPT」は企業に効率化をもたらすが、機密情報の取り扱いには注意が必要だ。複数のセキュリティベンダーがChatGPTに機密情報や個人情報を入力すると、データ漏えいにつながるリスクがあると警鐘を鳴らしている。
「ChatGPT」は企業に劇的な変化をもたらす可能性を秘めており、将来的には多くのビジネスパーソンにとって欠かせないサービスになるかもしれない。しかし、機密情報の扱いには注意が必要だ。
ChatGPTに機密情報や個人情報を入力することはリスクが伴うことを理解しなければならない。実際に多くのセキュリティベンダーが注意喚起を行っている。
ChatGPTは「おしゃべりな友達」 便利だけど口は閉じれない?
ChatGPTが企業にもたらしたインパクトは大きい。ChatGPTを使うことでこれまで数時間から数日を要した作業が、場合によっては数分から数十分も短縮できる可能性があるからだ。
サービスは背景技術に詳しいか否かに関係なく使用でき、もはやChatGPTが存在しない日に戻るのは無理だと考えるビジネスパーソンがいるのも無理はない。
しかし、ビジネスパーソンがこのサービスを使う場合は機密情報の扱いについてよく考える必要がある。ChatGPTの開発元であるOpneAIは、ユーザーがオプトアウトしな限りは入力した質問を学習データとすることはないと公言するが、会話ログを取ることは認めており、既にユーザーの会話ログが漏えいするインシデントも発生している。
どのようなデータ収集システムかは不明だが、入力されたデータを学習データとして利用していないとしても、理屈的にはそれは可能だ。さらに、こうしたサービスは時にバグなどでデータが漏えいすることがある。ChatGPTに機密情報や個人情報を入力することは、リスクの伴う行為であると認識する必要がある。
幾つかのセキュリティベンダーは従業員に対して注意喚起を行っており、ChatGPTと機密情報の関係についてはMalwarebytesが公開した「Stop! Are you putting sensitive company data into ChatGPT?」の説明が的を射っている。以下はその一文だ。
…but when it comes to sharing information it's good to remember it’s like telling your friend a secret and expecting them to keep it to themselves. Only this particular friend has a great many other friends and is very chatty.(ChatGPTへの情報共有は、「他人に漏らさないように」とくぎを刺した上で友達に秘密を話すようなものだ。しかもその友達は他にもにたくさんの友達がいてお喋りだ)
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