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新潟県庁が人為的ミスで10万3389個のファイルを消失 今後の対応は
保守業者のミスにより、新潟県庁の公文書管理システムから10万3389個の文書ファイルが消失するインシデントが発生した。
新潟県庁は2023年4月21日、同庁が使用している公文書管理システムから10万3389個の文書の添付ファイルが消失するインシデントが発生したと発表した。システム保守業者の人為的ミスとみられる。
新潟県庁が人為的ミスで10万3389のファイルを消失 今後の対応は
新潟県庁はによれば、消失したファイルは漏えいしておらず、外部からサイバー攻撃を受けたものではない。消失したファイルについては、現在復旧作業に取り組んでおり、県民や事業者らへの影響についても調査中だ。
同インシデントの経緯が以下に通りだ。
- 2023年4月10日:新潟県がシステムに登録した文書の添付ファイルが開けないことを確認し、保守業者に調査を依頼した
- 2023年4月13日:保守業者から、添付ファイルは2023年4月9日の夜間にシステムから削除されたこと、ファイルは漏えいしていないこと、外部からのサイバー攻撃によるものではないこと、3日間のバックアップ期間をすでに経過していること、同システムを使用する他の自治体では発生していないことなどが報告された。原因は調査中とされていた
- 2023年4月20日:保守業者から2023年3月24日、適用した新機能の影響で添付ファイルが削除されたと報告された。新しく適用された新機能は社内手続き(運用テストや社内審査、バージョン管理等)を経ていなかった。また、開発担当者と運用担当者の間で適用されたことが共有されておらず、2023年4月10日に新潟県から不具合の連絡があった際に運用担当者が適切に対応することができなかったことが伝えられた
今後の対応として以下の項目が挙げられている。
- 保守業者によって、削除されたファイルが復旧可能であるかの判断も含めた作業が継続されている。作業は2023年5月7日に完了見込み
- 削除されたファイルが復旧できなかった場合における新潟県の業務への影響および県民や事業者等への影響を調査
- 保守業者の業務執行体制を精査し必要な対策を実行
新潟県は業務において、文書の作成や決裁、保存などを電子的に行うために公文書管理システムを使用している。今回、このシステムに登録した文書の添付ファイルの一部が消失するインシデントが発生した。消去したファイルは手続きの際の添付ファイルであり、すぐに大きな影響があるものとは想定していないと説明が行われている。
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