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Outlook.comでアクセス不具合が断続的に発生 ハクティビストが関与をほのめかす
Outlook.comでアクセス不具合が断続的に発生しており、全世界のOutlookユーザーが影響を受けている。Microsoftはこの原因について公式な見解を発表していないが、ハクティビストの関与が疑われている。
Microsoftは2023年6月5日(現地時間、以下同)から、Webメールサービス「Outlook.com」にアクセスできない不具合が断続的に発生していると報告した。
同社は調査と問題解決に向けた取り組みを続けているが、本稿執筆時点でもまだ問題は完全に解決していないものとみられる。
Outlook.comの不具合発生に関するタイムライン
Microsoft 365 Statusの「Twitter」アカウントによると、問題発生に関するタイムラインは以下の通りだ。
- 2023年6月5日にOutlook.comのアクセスに関する問題を調査中だとTwitterアカウントで報告。問題の根本原因を特定するためにネットワークシステムおよび最近のアップデートを調査し、「Microsoft Teams」「Microsoft SharePoint Online」「Microsoft OneDrive for Business」に対する下流の影響を確認した。現在進行中のデプロイメントを停止し、サービスを監視して環境が改善されるかどうかを確認した
- 遠隔測定によってサービスの改善が確認された。影響を受ける「Microsoft 365」サービスの回復を確認するとともに、パフォーマンスの安定性を確保するためにサービスの監視を継続する
この一連の流れで問題は収束したようにみえたが、数時間後にMicrosoftは再びMicrosoft 365 Statusを通じて以下のような状況の配信を開始している。
- 同問題の再発とサービスの可用性低下が確認された。影響を受けるユーザーの問題を解決するための緩和策を適用しつつ、根本的な原因の調査を継続している。
- 可用性が健全なレベルまで回復したことを確認した。現在、完了を監視しながら根本的な原因の調査と監視の強化、さらに追加の修正プログラムの開発に取り組んでいる
再度問題は解決したかのように見えたが、2023年6月7日に入ってから問題の再発が報告された。
- 影響が再び出てきたことを確認し、さらに緩和策の適用をおこなっている。以前に適用した緩和策によって以前と比較して影響が減少していることが確認された
- サービスはほぼ安定した状態を維持しているものの、問題は完全には解決していない。緩和策の適用を広げており、サービスの可用性がさらに低下した場合には直ちにに介入を行う
- さまざまな緩和先を適用したことでサービスは安定して健全性を確保しているように見える。万が一問題が再発するかどうか注意深く監視している
コンピュータ情報サイトの「Bleeping Computer」によると、Outlook.comにおける一連の不具合はDDoS攻撃によるもので「Anonymous Sudan」と呼ばれるハクティビストが関与を主張しているという。
本稿執筆時点でMicrosoftは「ほぼ問題は収束した」といった旨の報告をしているが、何が原因で問題が発生したのか、どういった問題が発生したのかなどの詳細は明らかになっていない。
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