Microsoft Azure Portalで2時間にわたるアクセス障害 その原因は?
Microsoftは2023年6月9日15時10分から17時10分の2時間にわたり、Microsoft Azure Portal(https://portal.azure.com/)でアクセス障害が発生したと伝えた。
Microsoftは2023年6月9日(現地時間)、「Microsoft Azure Portal」(https://portal.azure.com/)にアクセスするとエラーが表示される障害が発生したと報告した。同日の15時10分から17時10分の2時間にわたって障害が起きたと説明されている。
Microsoft Azure Portalのアクセス障害 その原因は?
Microsoftは今回の障害について、「Microsoft Entra Admin Center」(https://entra.microsoft.com)や「Microsoft Intune」(https://intune.microsoft.com)など、Microsoft Azure Portalに構築された他のサービスへのアクセスにも問題が発生した可能性があると説明した。
Microsoftはアクセス障害発生後、問題の影響低減に向けて以下の行動を取ったとしている。
- ファイアウォールルールを調整してトラフィックをブロック
- トラフィックスロットルールを調整してリクエストを制限
- 負荷増加に対応するためにMicrosoft Azure Portalのサーバインスタンスを追加
- 不健康なMicrosoft Azure Portalインスタンスを再起動
Microsoftは上記の改善策を実施し、「2023年6月9日の17時10分には全てのMicrosoft Azure Portalエンドポイントについてベースラインに戻り健全な状態になったことを確認した」と述べている。
同社はこうしたアクセス障害の発生を防ぐために取り組んだ、または現在取り組んでいる内容として以下の項目を挙げている。
- Microsoft Azure Portalをより効率化にしてスケールアップを迅速に実施できるようにする(完了)
- Microsoft Azure Portalの規模を拡大して需要の高いリードに効率的に対応できるようにする(完了)
- 無効なリクエストとサーバの応答をより積極的にブロックする(完了)
- トラフィックのブロックとスロットリングのルールを調整する際にプロアクティブなロジックを活用する(作業中)
- Microsoft Azure Portalの内部監視機能を改善し、リスクにつながる指標をより迅速にかつ効率的に検出する(作業中)
- Microsoft Azure Portalのスタートアップ処理を高速化する(作業中)
Microsoftは、Microsoft Azure Portalのアクセス障害について「トラフィックの急増が原因だった」と説明しているが、急増の理由については説明していない。一部のハクティビストはこうした行動に関して分散型サービス拒否攻撃(DDoS)をほのめかす声明を発表しており、サイバー攻撃によって今回のアクセス障害が発生した可能性が示唆されている。
関連記事
- Outlookに続きOneDriveでアクセス障害が発生 DDoS攻撃の影響か
2023年6月9日、OneDriveにおいてアクセス障害が発生した。ハクティビストによるDDoS攻撃が原因である可能性が指摘されている。 - Outlook.comでアクセス不具合が断続的に発生 ハクティビストが関与をほのめかす
Outlook.comでアクセス不具合が断続的に発生しており、全世界のOutlookユーザーが影響を受けている。Microsoftはこの原因について公式な見解を発表していないが、ハクティビストの関与が疑われている。 - Microsoft、「Cortana」のサポート終了を発表 代わりになるサービスは
MicrosoftはCortanaのWindows版サポートを2023年後半に終了する。Cortanaの代替として新たな機能やサービスが紹介する。 - Windowsのパフォーマンスは1年でどの程度改善したのか? Microsoftが成果を報告
MicrosoftはWindowsのパフォーマンスと信頼性の向上やアプリの最適化、省エネ設定などの取り組み成果を発表した。デスクトップへのアクセス時間を10%短縮したり、アプリケーションの起動時間を50%以上短縮したりしている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.