「Apple GPT」が出る日も近い? BloombergがAppleの生成AI競争参入を報道
MicrosoftやGoogleが生成AIの開発を進める中、Bloombergから、Appleもこれに参入を予定しているという報道が出た。既にApple GPTというチャットサービスが社内で開発されているようだ。
Bloombergは2023年7月19日(現地時間)、Appleが生成AI(人工知能)ツールの開発に取り組んでおり、社内の一部で「Apple GPT」と呼ばれるチャットbotサービスも作成したと報じた。なお、Appleから同内容に関する公式な発表は出ていない。
生成AI競争にAppleも参戦か?
OpenAIが「ChatGPT」を公開してから、多くの企業にとって大規模言語モデル(LLM)技術や生成AIツールは最大の関心事であり続けている。
Microsoftは検索エンジン「Microsoft Bing」にChatGPTで使われているものと同じ技術を投入し、チャットでの検索を可能にした。同社はこの技術を「Microsoft Edge」に統合している他、2023年秋から冬にかけて「Windows 11」に統合する旨も発表している。
対してGoogleもChatGPTの登場以降急ピッチで開発を進め、LLM技術を投入した検索システム「Google Bard」を公開している。
各社が生成AIツールの開発を競う中、沈黙を続けているのがAppleだ。Bloombergによると、Appleのティム・クックCEO(最高経営責任者)は市場に大量の生成AIサービスが押し寄せていることについて公の場で警戒を表明しているという。同社は新製品の発表においても「LLM」や「生成AI」といった言葉の使用を避けている節があり、これについてどういった姿勢で取り組んでいるのかは明らかになっていない。
だがBloombergによると、Appleは社内の一部で「Apple GPT」と呼ばれるチャットbotサービスを開発しているという。Bloombergは「Appleの従業員らによると、同社のツールは基本的にGoogle BardやChatGPT、『Bing AI』を再現したもので、新しい機能や技術は含まれていない。このシステムはWebアプリケーションで提供されているが、現在のところこれを消費者向けにリリースする計画はない」と報じた。
Bloombergによると、AppleはAIやソフトウェアエンジニアリンググループと、重要な新機能のインフラストラクチャを提供するクラウドサービスエンジニアリングチームとの間で全社横断的な取り組みを進めているという。しかしAppleからの正式な発表はなく、生成AIに関する具体的な戦略は明かされていない。
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