KyndrylとMicrosoftがエンタープライズ向きの生成AIで協業を発表
KyndrylはMicrosoftが発表した協業は顧客のAI活用をいかに変化させるのか。
KyndrylとMicrosoftは2023年8月9日(現地時間)、エンタープライズ向けの生成AI(人工知能)の開発と導入を開始するために協業すると発表した。
KyndrylとMicrosoftの協業がもたらすメリット
両社は共同イノベーションセンターやKyndrylのデータとAIに関する特許ポートフォリオの拡大、「Microsoft 365 Copilot」「Azure OpenAI Service」「Microsoft Fabric」へのアクセスを利用し、生成AIの設計や開発などを推進する予定だ。
Kyndrylによれば、以下のサービスで顧客は生成AIのメリットを享受できる。
共同イノベーション
「Kyndryl Vital」「Kyndryl Joint Innovation Centers」などを利用し、カスタムユースケースの検索や共同製作、業務における生成AI(Generative AI)活用方法の模索と特定を実現する。
従業員のエクスペリエンスが向上
業界固有のユースケースやソリューションを開発し、既存の能力を向上させる。また、自動化や現場の生産性向上を目指す。課題説明を自動的に要約するAIおよびバーチャルアシスタントを活用し、関連情報の表示や作業効率、応答速度の向上を実現する。
強固なデータ基盤の構築
信頼できるデータ基盤やアーキテクチャの構築を通じて、高品質なデータ作成や管理を実現し、信頼性向上を可能にする。
実行と管理
データおよびAIアーキテクチャの専門知識を活用したオーダーメイドフレームワークを展開し、ユーザーの大規模なAI活用をサポートする。
KyndrylはITインフラストラクチャを最適化するプラットフォーム「Kyndryl Bridge」について、今後1000社以上がその取り組みに加わる見込みだとしている。このプラットフォームはAI技術や機械学習(ML)、自動化技術などを活用してITインフラを最適化し、企業の経費削減に寄与できるとされる。
今回のパートナーシップを受け、「Microsoft Cloud」における生成AIの導入が従来よりも簡単になるとみられる。KyndrylはITインフラストラクチャにおける生成AIの導入を積極的に進めており、今回のパートナーシップはそうした生成AIの活用幅を広げるものだ。
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