藤沢市がServiceNowと「デジタル市役所」実現に向けて連携
自治体がITベンダーと共同でDXに取り組む例が増えている。神奈川県藤沢市がServiceNowと共同で取り組むデジタルプラットフォームの構築と人材育成の具体的な内容とは。
ServiceNow Japan(以下、ServiceNow)は2023年8月25日、神奈川県藤沢市とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に関する包括連携協定を締結したことを発表した。
人材育成プログラムの2つのコース
ServiceNowと藤沢市はデジタルプラットフォームの構築とデジタル人材の育成を中心に連携する。
デジタルプラットフォームの構築
藤沢市はDX推進に当たって国が掲げる行政手続きのデジタル化に伴うデジタル3原則を基本原則とした「藤沢市DX推進計画を2022年4月に策定し、行政手続きのインフラを整備する取り組みを実施している。
同市は一元的な管理・連携を実現するデジタルプラットフォームの構築を最重点取り組み項目の一つと位置付け、ServiceNowが提供するデジタルプラットフォーム「Now Platform」を採用した。Now Platformを活用した「デジタル市役所」実現の第一弾として2023年10月にコンタクトセンターを開設する。
人材育成
ServiceNowと藤沢市が2023年度に計画しているトレーニングプログラムは次の2つだ。
- 「女性のリスキリング」に焦点を当てたプログラム(2023年12月から実施予定)
受講者のペースでデジタルスキルを習得できるよう、オンデマンド中心のカリキュラムを用意している。ServiceNowが修了者を認定する他、就労も支援する。2023年10月に受講者の公募を開始する
#学生を対象としたプログラム(2024年以降に実施予定)
実社会で役立つスキルの習得を意識した、技術的な資格取得とソフトスキル教育を実施するハイブリッド形式の体験型学習プログラムを用意している。藤沢市役所をはじめとするServiceNowのユーザーやパートナー企業でのインターンシップを提供する予定だ。
上記のプログラムには、ServiceNowが提供する「RiseUp with ServiceNow」を利用する。RiseUp with ServiceNowはServiceNow関連のスキル習得を2024年までに世界で100万人にすることを目指す包括的なトレーニングプログラムだ。
2022年10月の開始以来40万人が利用し、38万人がコースを修了し、国内外41の教育機関や就職先がパートナーとして参画した(2023年6月時点)。ServiceNowによると、大手テクノロジー企業や広島大学、慶應義塾大学などの教育機関が活用しているという。他社のトレーニングや認定資格とServiceNowの統合プログラムも提供しており、第1弾としてマイクロソフトのコースを導入した。
ServiceNowは藤沢市と共同で人材育成プログラムを提供することについて、「デジタルスキルの習得や就労機会の支援・確保など官民協働のロールモデルになるよう取り組む」としている。
関連記事
- AWSが生成AIの入門コースを提供 IT人材育成やリスキリングに貢献するか
AWSは生成AIに関する基礎を学べるコースを提供している。生成AIの活用を検討している企業の助けになるかもしれない。 - 「学ばない日本人、人材に投資しない日本企業」とはもう言わせない(Microsoftのビジネスアプリケーション ラーニング・コミュニティー編)
DXを成功させるために、企業はそれぞれのツールに対する理解を深める必要があります。本稿はMicrosoftのビジネスアプリケーションを効率的に学ぶ方法を解説します。 - 自治体職員のリスキリング、主導権を握るのはどこか――ベネッセの取り組みから探る
全国自治体のDX推進に向けて職員のリスキリングをどう進めればよいか。ベネッセコーポレーションの新たな取り組みから探る。 - 「リスキリング」よりも大切なこと “器用貧乏”にも“会社に都合のよい人間”にもなりたくないあなたへ
最近、急に聞く機会が増えた言葉「リスキリング」について、筆者は「本来のあるべき姿から遠ざかっているのではないか」と指摘します。そもそもビジネスパーソンにとっての「スキル」とは何なのか。楽しいビジネス人生を送る上で今、われわれはまず何をすべきなのでしょうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.