FortinetがSD-WANの新サービスを発表 専門知識や予算、リソース不足の企業を支援:セキュリティニュースアラート
FortinetはSD-WAN向けの新たなサービスを発表した。スキルや予算、リソースがない企業にパフォーマンス監視やプライベートアクセス構築ソリューションを提供する。
Fortinetは2023年8月3日(現地時間)、SD-WAN向けの新たなサービスとして「SD-WAN向けアンダーレイパフォーマンス監視サービス」と「SD-WAN向けOverlay-as-a-Service」を発表した。2023年第3四半期に提供を開始し、定期的に機能が追加される予定だ。
ネットワークを可視化して、優先度を把握して運用を効率化
SD-WAN向けアンダーレイパフォーマンス監視サービスは運用の効率化とユーザーエクスペリエンスの向上を同時に目指すITチームをサポートするものだ。
Fortinet製品の効率的な一元管理を可能とする統合管理アプライアンス「FortiManager」とUTM製品「FortiGuard」を組み合わせ、ネットワーク全体のアンダーレイパフォーマンスを一元的に可視化し、ISP(インターネットサービスプロバイダー)リンクパフォーマンスのソートとレポートを容易化する。
ITチームはこれによってネットワークトラフィックの優先度を迅速に設定し、運用の問題を効率的に解決できるようになる。このサービスにはアンダーレイパフォーマンス監視に関する以下の機能が含まれる。
- アンダーレイセットアップウィザードを利用することで、熟練のIT担当者がいない場合でも、Fortinetのベストプラクティスを活用してこれまで以上に容易かつ効率的にSD-WANをセットアップできる
- アンダーレイ監視ダッシュボードによって、アンダーレイパフォーマンスとアプリケーションパフォーマンスを単一の直感的なダッシュボードから監視できる
- 「FortiGuardパフォーマンスSLAデータベース」には、数百のSaaS(Software as a Service)やクラウドアプリケーションのワークロードがあらかじめ構成されているため、ISPリンクパフォーマンスのSLAを簡単に作成できる。これによって、セットアップの時間が短縮され、構成エラーの可能性が少なくなり、アプリケーションの性能を引き出せる
- アプリケーションパフォーマンススコアリングは高度な分析機能によって、アプリケーションのユーザーエクスペリエンスを完全なエンド・ツー・エンドで測定し、ネットワーク内の細部の問題を特定することで、修復に要する時間を短縮する
予算やリソースが足りない企業でも手軽にプライベートアクセスを実現
SD-WAN向けOverlay-as-a-Serviceは、技術的な専門知識や予算、リソースが限られた組織向けに設計されているプロビジョニングソリューションだ。ホスティングや専用ハブを用意する必要なく、数分以内の迅速な導入とシームレスな相互接続を可能にする。
クラウドホスティング型サービス「FortiCloud」を利用することで、効率的なセットアップや管理が可能になるため、ホスティングと管理に要する費用負担を軽減しつつ、導入期間と関連コストの大幅な削減が実現する。
これを採用することでリソースが限られている組織であっても、パフォーマンスの低下や予算超過を懸念することなく、効果的なセキュアネットワーキングソリューションのメリットを享受できる。
また、同ソリューションで「FortiSASE」との統合をさらに自動化し、SD-WANハブをFortiSASEのPoP(Point of Presence)に迅速に接続してセキュアプライベートアクセスを実現することで、リモートユーザーが容易かつ安全に会社のアプリケーションに接続できるようになる。
Fortinetのプロダクト戦略担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CMO(チーフマーケティングオフィサー)であるジョン・マディソン氏は「今回発表する新サービスを利用して、SD-WANネットワークのセットアップや構成、メンテナンス、運用に関する技術的な専門知識をフォーティネットのエキスパートにオフロードすることで、リソースが限られている組織であってもSD-WANを簡単に導入できるようになる」とコメントした。
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