「災害用インフラ」を移住支援にも利用 南紀白浜のRPA活用術
絶え間なく災害に見舞われる日本列島。南海トラフ地震を見据えた対災害ネットワークやそれと連携するサービスを、移住や企業誘致にも利用する和歌山県白浜町の取り組みとは。
2024年1月9日、NECとSBI AntWorks Asiaは、和歌山県白浜町の公式Webなどの閲覧者に向けた自動リコメンドサービスに「QueenBOT RPA」を提供したと発表した。自動リコメンドサービスは1月8日から運用を開始している。
非常時に限定しない、「災害用インフラ」整備の目的
今回NECとSBI AntWorks AsiaがRPA(Robotic Process Automation)を提供する自動リコメントサービスは、白浜町が取り組むデジタル田園都市国家構想事業「耐災害ネットワークを活用した転職なき移住の実現」の一環として実施されている。白浜町への企業誘致や、旅行先で仕事をするワーケーション(workとvacationを合わせた造語)の推進を図るものだ。
白浜町は、発生が予測されている南海トラフ地震を見据えて、耐災害ネットワーク「NerveNet」を活用した通信インフラ環境を構築している。
QueenBOT RPAは白浜町公式WebやNerveNet、デジタル観光マップ「しらはまこんぱす」利用者から取得した情報を基に自動リコメンドサービスを実現するマーケティングオートメーションシステムとして利用されている。あらかじめ設定した条件に従ってリコメンドメール配信対象者を抽出し、電子メールを作成、送信するといった一連の業務をソフトウェアロボットが代行する。業務自動化によって担当者の業務負担を軽減するとともに、電子メールの誤送信や個人情報漏えいといったセキュリティリスクも低減できるとしている。
白浜町の井澗誠 町長は「白浜町は今後の関係人口の増加に向けて、データに基づき利用者の反応や傾向をデータ取得・分析し、潜在的な要望把握と実現により白浜町への満足度を高める施策を実施したいと考えている。個人情報保護の関連法規の順守に努めた上で取得したデータに基づき、関係人口に対する適切で効果ある情報を届けたい」と述べる。
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