日立がOracle、Microsoftと共同検証 ミッションクリティカル系システムのクラウド移行を推進:技術トレンド
日立製作所は2025年3月11日、「クラウド移行支援サービス for Oracle Database」の提供を開始すると発表。日本オラクル、日本マイクロソフトと連携し、基幹DBシステムのクラウド移行を効率的に行う。
日立製作所は2025年3月11日、「Oracle Database」を利用した基幹DBシステムのクラウドへの移行を支援する新サービス「クラウド移行支援サービス for Oracle Database」を発表した。
日本オラクル、日本マイクロソフトと技術提携のもと、3社で技術検証を進めた。ミッションクリティカルな業務要件に対応可能なシステム構成のベストプラクティスを導き出したとしている。
日立がオンプレのOracle Database移行に本腰、検証の内容は
日立が発表したのは、Oracle Databaseを利用した基幹DBシステムのクラウド移行を支援する「クラウド移行支援サービス for Oracle Database」だ。このサービスで活用するベストプラクティスを確立するため、日本オラクル、日本マイクロソフトの3社で連携して基幹業務向けシステムの構築・運用について「Oracle Database@Azure」で検証を進めた。
検証では証券取引などのオンライン処理、料金計算などのバッチ処理、大量データ抽出を伴う売上分析や監査といった3種類のDBアクセスパターンに分類し、それぞれの用途で求められる可用性やパフォーマンスを検証した。
同サービスはこの検証結果を踏まえ、ミッションクリティカルな業務要件に対応可能なシステム構成の「最適解」を提供するものだ。提供サービスはフェーズごとに以下の内容を提供する。
検討フェーズ
移行対象の基幹システムに必要な要件を漏れなくアセスメントする。
利用中のOracle Databaseの現在のシステム要件や運用体制などをヒアリングし、移行先候補と希望要件を踏まえたアセスメントを、日立のプラットフォームエンジニアが提示する。
要件の実現性や優先順位を明確化し、適切な環境選定を支援する。アセスメントは日立のベストプラクティスに基づいていることから、検討漏れを防止し、効率的な検証が可能となるとしている。
クラウド環境構築・移行
データベースの設計・構築・テスト工数と移行時の業務影響を最小化する。
基幹システム用途のクラウド環境の設計・運用に関するベストプラクティスを活用し、最新クラウド技術に対応する。設計や設定を検討する項目が最小化され、設計・構築・テストの品質を確保しながら工数を削減できる。データ移行も停止時間や業務影響を最小化し、アプリケーション改修も支援することで、移行を効率化する。
マルチクラウド運用
複雑になりがちな障害時の対応などをワンストップで支援する。
日立は運用者向けに監視ツールの使い分けを支援する他、運用開始後の問題解決についても日本オラクルと日本マイクロソフトそれぞれの技術提携スキームに基づいて、日立がワンストップで支援して運用の確実さと効率を向上させる。
今後もベストプラクティスを拡充してサービスを提供
日立は今後、データ移行や、運用開始後の監視ツールの使い分けなどのベストプラクティスも拡充する計画だ。同サービスを利用することで、基幹系システムのクラウド移行の検討フェーズから移行プロセス、運用面までの見通しを立てやすくなり、工数や期間を短縮しやすくなると考えられる。
日立は今後もパートナー各社と連携し、最新のクラウド技術やグローバルな事例の取り込みや、生成AIおよび基幹データの連携などベストプラクティスの拡充を続け、デジタル変革に貢献していくとしている。なお、本サービスの提供開始時期は検討フェーズおよびクラウド環境構築・移行フェーズが2025年4月1日から、マルチクラウド運用フェーズが2025年6月末を予定している。
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